——昨年のレコーディングやワールドツアーやフェスでバンドがさらに成長できたエピソードはありますか?

Tomoya 僕は最初、レコーディングを「海外でやろう」ってなった時、不安の方が大きくて。もちろんプロデューサーも英語だろうし、そういうコミュニケーションの面とか、不安は大きかったんですけど、実際行ったらすごい刺激になって。あと、ライブもそうで、向こうのバンドとすごい近い関係でツアーまわってると、「あ、海外でツアーやるってこういう感じなんだ」って実感して。それは自分にとって刺激になったなと思います。

Ryota 去年のヨーロッパツアーは後半になるに連れて、みんな疲れがだいぶ出てきて、言葉も少なく……で、最後、帰る前の日に牡蠣を食べたんですよね。食べた人全員下して。だいぶおつかれな感じだったんですけど。でもこのツアーを経験して、すごい強くなった感じはします。

——そして今回の『35xxxv』の制作のすべてをアメリカで行った具体的な理由について教えてください。

Taka やっぱり今までまわった日本以外でのツアーが多大なる影響を僕らに与えてるっていう……。やっぱりそういう世界を見ていると、いかに自分たちが小さいところで音楽を作って、小さい世界でそれを表現してるかってことが、すごくよく分かるんですね。これは行ってみないと分からないことで、僕は何事も経験してみるっていうことに対することにハングリーに今までも生きてきたし、これからも生きていくと思うんですけど。そういう中で、今回のアルバムをアメリカで作るっていうことは一つある種バンドとしてはリスクを背負うことでもある。

アメリカでレコーディングをして、そこの空気で曲を作るってことがどういうことか、なんとなくこれだけバンドやってると分かったりするんですけど、でも自分たちが遂に次のステージに行くべきタイミングなんだっていうのは、やっぱり分かったんですよね。で、そのタイミングの中でどれだけ自分たちが真剣にまた次のステージでも今までと同じようなパワー感を持ってやっていけるか? みたいな。自分たちに課せられた若干、使命感っていうかターニングポイント的な、そんな時期だったので、一人のプロデューサーで作品を作るっていうこともあんまり考えてなかったし。その限られた時間の中で自分たちはどれだけ吸収することができるか? みたいなことも踏まえて、今回はプロデューサーが沢山いるんですけど。

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『35xxxv』ジャケ写

——プロデューサーへのアプローチはどのように?

Taka この制作に入る1年以上前からプロデューサーを自分の中でいろいろ探してて、コンタクトとって、実際会いに行って。僕らのバンドのスタンスだったりも説明して意見交換して。その中で「あ、この人とだったらひょっとしたらいいものが作れるのかもしれない」って人を絞って、結果的にすごく多くなってしまったんですけど、ちゃんとコミュニケーションとって入っていった感じはあります。

——たとえばコリン・ブリテンはどういう作品や仕事での判断ですか?

Taka コリンはジョン・フェルドマンの下で働いてる人間だったんです。そこから独立をして。ジョンとやってる時から、いろんなプログラミングとか、そういうものをやってくれてたんですね。すごくセンスもあって、ヴァイブスも良くて、歳もほぼ一緒なんですよ。1コぐらいしか変わらないのかな。彼とだったらほんとに一緒に作るというか、プロデューサーっていう立ち位置ではなく作れそうだなと思って。

——彼はラウド系だけじゃなく割とポップなものもこれまで手がけていますね。

Taka そうですね。同じ世代っていうこともあって聴いてきた音楽が一緒なんですよ。だからそれを違う音楽に変換する感覚っていうのもお互い理解しあっていてすごくやりやすかったです。

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