【華々しい音楽キャリアのスタート】
バークリー音楽大学から離れた後、彼はアトランタを拠点に音楽活動を開始。その時に作った自主制作盤『インサイド・ウォンツ・アウト』が業界関係者の間でも大きな注目を集め、2001年には〈コロムビアレコード〉より『ルーム・フォー・スクエア』でメジャー・デビューを果たす。実にこのアルバムはデビュー作としては異例の400万枚以上のセールスを記録。そして2003年には“ユア・ボディ・イズ・ワンダーランド”でグラミー賞の最優秀男性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞を授賞、また、2004年に発表された“ドーターズ”は、グラミー賞主要4部門の一つ、最優秀楽曲賞授賞と、実に華々しいキャリアを重ねてゆく。
“No Such Thing”※『ルーム・フォー・スクエア』収録
【いかにして現代三大ギタリストという称号を得たか】
その後、彼は、2005年にブルース・ロック・バンド、ジョン・メイヤー・トリオを結成し、『トライ! ライヴ・イン・コンサート』をリリースするわけだが、そのトリオのメンツがとにかく凄い! ザ・フーのサポートメンバーでもあり、ディアンジェロ『ブードゥー』やホセ・ジェイムズ『ノー・ビギニング・ノー・エンド』への参加でも有名なベーシスト、ピノ・パラディーノ、また、エリック・クラプトン等数多くのミュージシャンのバックでドラマーを務めるスティーヴ・ジョーダンを従えるということだけでも大きなトピックであり、本作は、ジミ・ヘンドリックス“Wait Until Tomorrow”、レイ・チャールズ“I Got A Woman”のカヴァーも収録した大傑作。
その後も、『コンティニュアム』(06年)、『バトル・スタディーズ』(09年)、『ボーン・アンド・レイズド』(12年)と話題作を次々と発表し、さらには、若手でありながらも、エリック・クラプトンやバディ・ガイ、B.B.キングなどの大御所とも幾度と無く共演を果たし、ギタリストとしても非常に高く評価されている。世間では、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジを三大ギタリストと呼ぶが、米「ローリング・ストーン」誌の2007年2月号では、ジョン・フルシアンテ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)、デレク・トラックス(オールマン・ブラザーズ・バンド)と共に、ジョン・メイヤーを「現代の三大ギタリスト(The New Guitar Gods)」として、選出している。