ドラム・ヴォーカルとして「強い」言葉ばっかり乗せてきていたので、
そうじゃなかった時期に書いた言葉というのは「空間」を思わせる部分がある

――サウンドとしてはもちろん「ロック」が前提にあり、山口百恵さんなどを経由した「歌謡曲」があり、バラードもエレクトロニカもあり、どこか血筋としての「フラメンコ/サルサ」もドラミングから感じさせます。あえてジャンルを超越したアルバムを作ってやろう…という意識はありましたか?

まあ、ロックが基板にあればどこに遊びに行っても良いというのがチームの共通意識なので…。そういう意味での振り幅は全員が大きく持ってると思います。チームの人間とは制作中も色んな話をしましたし、「歌い方はこうしてみよう」とか、「ドラムはこうしてみよう」とか、常に新しい挑戦を心がけながらやってきました。

――平出悟さんと大島賢治さん(元THE HIGH-LOWS)という2名のプロデューサーが多くの楽曲を手がけていますが、お2人の最大の違いって何だと思いますか?

人間的なところになってしまいますけど、結局はそれが音楽性に出ているのかもしれないですね。平出さんはけっこう、緻密に緻密に物事を考えるタイプかもしれません。で、大島さんはすごく感覚的なタイプ。そういったところでバランスが取れている感じはしますね。

――右脳と左脳みたいですね(笑)。7曲目“負けないゲーム”には、そのお2人だと思わしきイニシャルが歌詞に出てきますが…。

バレバレですよね(笑)。このへんで1回ぶちまけとこうかなって…。まあ本人に歌詞を読ませたら笑ってましたけど(笑)。

【インタビュー】シシド・カフカ待望の1stアルバムはまるでアミューズメント・パーク!? 遊びゴコロたっぷりの16曲に秘められたエピソードを紐解く。 feature130829_kavka_3-1

――“ラヴコリーダ”は歌詞もサウンドもミュージック・ビデオもカラフルで、新境地ですよね。SILVAさんと作詞を共作したのはどんなキッカケで?

SILVAさんが前から「私に会いたい」と言ってくださってたみたいで、共通の知り合いを介してお酒の席をセッティングしてくれたんですよね。周囲からも「気が合うんじゃないかな~」と言われてたんですけど、実際に会って挨拶した途端に「なんか気が合う気がするね!」みたいな感じで飲みが始まって(笑)。で、友人としてコミュニケーションを取ろうということになっていたんですけど、“ラヴコリーダ”というカラフルな楽曲が出来てきたので、歌詞もカラフルな言葉を乗せたいと思っていたんですね。ただ、私は「強い」言葉を乗せるのは得意なんですけど、カラフルな言葉を散りばめるのがちょっと苦手で…。SILVAさんはそういう言葉が得意なイメージがあったので、今回声をかけさせてもらったんです。

次ページ:【「デイヴ・グロール」という歌詞については・・?】