誰でも一度は想像しながら眠りについたことがあるだろう。「明日、朝起きて、全く新しい世界が広がっていたら…」と。もし、それが現実に起こり、朝開いた窓から、いつもの景色とは違った、広がる荒涼とした原野が飛び込んできたら…。その背景に流れる音楽は、現在ワールドワイドに活躍している日本のラウドロック/エクストリームミュージック・バンドCrossfaith(クロスフェイス)のニューアルバム『APOCALYZE(アポカライズ)』が、さぞかし似合うことだろう。
『新約聖書巻末のヨハネの黙示』の「apocalypse」と「~化する」の「lyze」を合わせた造語からタイトルされた同作品は、その作風や内容、歌詞も含め、まさに新世紀に入る黙示録。これまでに確立してきた自身の音楽性(ラウドロック/メタルコア/スクリーモ meets エレクトロ/ニューレイヴ)の強靭度のアップに加え、新しいエッセンスやメソッドも多数導入されている。その様は、まるでこれまでの彼らの殻が内側からバリバリと破られ、中から得体の知れない新しい生命体が、グワっと我々を丸呑みしてくるが如し。圧倒さと超克、そして高潔さを擁した各楽曲が我々に襲いかかってくる。
前作『ZION EP』同様、ニュージャージで作り上げられた今作は、日本を始め欧米各国でも発売。スケール感やドラマティックさは格段に向上し、これまで以上にレイヴィーで所々盛り込まれたダブステップの要素も特徴的だ。<ワープドツアー2013>に2年連続で参加し、今年は全箇所完遂を果たした彼ら。その帰国を直撃し、アルマゲドン~天地創造を感じさせる今作についてを中心に色々と話を訊いた。
Interview:Crossfaith
ステージ条件は常にあまりよくなかった分、
かえってそれが燃える要因にもなった<Warped Tour>
――アメリカ/カナダを40箇所周った<ワープドツアー2013>を終えたばかりですが、2回目の出演の手応えはいかがでした?
Ken 40本、余裕でしたよ(笑)。ハードでタフなツアーを覚悟してましたけど、あっと言う間で。楽しかったし、色々なバンド仲間も出来たし。ホンマ、一つの大きなサマーキャンプみたいでしたね。
Hiroki 基本、ライヴ演って~呑んでの繰り返しやったけど(笑)、各地ステージ環境はけっして良いものではなかったけど、各所ライヴをして、次に移動しての中から色々なものが芽生え、育った感はあります。
Ken このジャンルに於いては一番大きなフェスやし、メロコア以降のバンドが憧れる登竜門でもあるんで、特に若手バンド達は気合いが違う。みんなチャンスを掴もうと必死でしたね。
Kazuki ステージタイムが毎朝発表されるんですけど、そこから自分たちの出演時間までが勝負で。パネルを持って自分たちのステージの告知をしに回ったりしましたよ、俺らも。
Ken お客さんも事前にタイムテーブルを知らないから、当日会場に入ってから、「どういう流れで観るか?」を決めるんです。その分、若手はどのバンドも、「是非俺達を見に来てくれ!」のアピール度が半端なくて。
Hiroki 向こうの人は何に対しても貪欲なんで、それに感化されて、自分らも初心を想い出しました。ステージ同士の時間も音とかもカブってる中、どうやって自分たちに立ち止まらせて、惹き込むか? は常に考えてましたね。
Terufumi それが2か月毎日でしたから。今だに起きても、「ヤバっ、今日はどの時間にどこのステージや?」って条件反射してます(笑)。
Tatsuya ライヴ後、サイン会場や歩いていたりすると、「ライヴめっちゃ良かったよ」と声を掛けてくれる人も多くて。