これまでを踏襲しつつ、これからの自身も提示できたニューアルバム

――最近のクロスフェイスは、ライヴにしても作品にしても、数万人を想定した活動をしているように映るんです。

Ken 確かにそれはありますね。いわゆるスタジアムロックバンド、みたいな。

Terufumi 今回の『アポカライズ』では、その辺りを目指していたところもあって。自分たちが<Soundwave Festival 2013>(今年2月にオーストラリアで行われた世界最大級のロックフェス)で9万5千人の前で立って演ってみての感動や、あそこで鳴らすべく自分達の音楽を想定して作ったところはあります。

Ken そうそう。もう、<速い><重い>だけで片付けられない音楽性というか。それらも持ちつつ、更にドラマティックでダイナミックな方向を目指しました。

――でも、これだけライヴをやっていて、よく新作を制作する時間がありましたね?

Ken 今年の1月1日からアメリカに渡って作ってましたから。

――1月1日から!? それは、それは。作風的にヘビーでザックザック路線で来るか、躍動感たっぷりでダンサブルに来るか? のどちらかを予想してましたが、そのどちらをも両立させた作風になっていて驚きました。

Ken 今までの作品の中で最もバラエティに富んだものになってますからね、今作は。

Terufumi 曲作りは去年の9月頃からだったんですけど、ちょうどその頃から海外へツアーに行き出して。で、色々な国に行って、その中での曲作りだったんで、その辺りも反映されてるかなと。“Gala Hala(Burn Down The Floor)”は、スロベニアの街の名前からタイトルをとったんですけど、この曲は、その街の情景や雰囲気を上手く描こうと作ったし。あと、2012年って、マヤ歴で「文明が滅びる」みたいな予言もあったじゃないですか。それもあり、自分達の中で一度世界を滅びさせて、そこから新たに人類を構築していく。いわゆる旧約聖書の創世記というか。そんなコンセプトを持って作曲していったんです。7日間で世界を作り直した、みたいな。その7日間を7曲で表して、それらを中心に構成していったのが今作で。アルバムタイトルの『APOCALYZE』もapocalypseを文字った造語だし。

Hiroki 前回の『ZION EP』からの流れで、自分達の実質の1stアルバムと思って作ってましたから。いわゆるこれまでの集大成的なところもあるし、今作には。今までをキチンと踏襲しつつ、自分たちが今や次に何を提示すべきかをよく考えて作ったというか。だから、クロスフェイスらしさを残しつつ、バラエティに富み、「だけど俺達はどんなことをやっても変わらない!!」というのが表せたかなと。

【インタビュー】Crossfaithが全世界に向けて放つ、圧倒と超克、高潔さを擁した新世紀への黙示録 feature130903_crossfaith_hiroki

Ken そうそう。俺らがやれば何でもクロスフェイスですから。