――ジャズとヒップホップの融合を形にし、それをメジャーな層にまで広くアピールしてプラチナ・アルバムを獲得したということは、Us3の大変大きな功績だと思いますが、音楽を表現する上で最も大切に考えていることは何なのでしょうか?
当時はジャズのファンやジャズ専門のラジオも少なく、「何で皆、ジャズを聴かないんだろう?」という思いから、Us3のプロジェクトは始まったんだ。ただただシンプルに、ジャズの良さを沢山の人に伝えていきたかったのさ。それは、自分自身がもっと深くジャズを知りたいという欲であったのかもしれないけれど。
――9月には待望の最新アルバム『ザ・サード・ウェイ』がリリースされます。今作のコンセプトだったり、これまでのアルバムと比べて、音楽的な変化があるようでしたら、ぜひ教えて下さい。
『ザ・サード・ウェイ』というタイトルは、音楽を作る上で1つ目の手法がジャズ、2つ目の手法がヒップホップ、そしてその先にある、3つ目の手法、すなわち僕らにしか出来ないアプローチこそが「Us3」なんだという意味だよ。1stリリースの『ハンド・オン・ザ・トーチ』から20年を経て、それに並ぶ作品として、今回のアルバムを出そうと思ったんだ。これまで出したアルバムの中でも最もアップテンポでダンサブルなアルバムさ。ケアレス・ワンの言葉にもあるけれど、Us3にとって大切なことは「エデュテイメント」なんだ。エデュケイトとエンターテイメント、両方が大切ということ。リスナーを教育していく、かつエンターテイメント性の高いものでなければならない。今回のアルバムはサンプリングはせずに、全てミュージシャンによる生演奏なんだ。ライブ活動、ツアーが多くなるに連れて、ミュージシャンの要素がとても大きなものになってきている。そういう部分が、変化していることかもしれないよ。
――これまで長く関わりのある〈ブルーノート〉は来年75周年を迎えるわけですが、このことをどのように感じますか? また、〈ブルーノート〉に対しての思いがあれば教えて下さい。
ドン・ウォズが〈ブルーノート〉の社長になり、とても再活性化されていると感じるね。ホセ・ジェイムズやロバート・グラスパー、グレゴリー・ホーターのような新しいアーティストをリリースしたり、ウェイン・ショーターとも再契約をしたり、彼はこれからも新しい風を吹き込んでくれる気がするよ。彼はレーベルの歴史もしっかりと理解しているし、ジャズを深く聴いている。これからの〈ブルーノート〉を、どんどん引っ張ってくれるんじゃないかな。
――最後に今後の展望を、また日本のファンへメッセージをお願いします。
2009年に横浜で公演して以来、日本ではライブをやっていないから、またやりたいね。その時はぜひ皆に来て欲しいと思う。日本では〈ブルーノート〉からリリースするけれど、ヨーロッパ、アメリカでもリリースをして、ツアーも実現したい。皆に会えるのを楽しみにしているよ。
――今日はどうもありがとうございました。
こちらこそありがとう!
text by NKMGR5
photo by 横山マサト
【インタビュー裏話】
実は今回のインタビューでは、Geoff のDJツアーに同行しているDJ First Rateも同席!
Geoff と2人で仲良く、お茶目なポーズもとってくれました♪
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Release Information
2013.09.18 on sale! Artist:Us3(アススリー) Title:The Third Way-Hand On The Torch Vol.2(ザ・サード・ウェイ~ハンド・オン・ザ・トーチVol.2) ユニバーサルミュージック TOCP-95140 ¥2,600(tax incl.) |