界中から多様な背景を持つ人々が集うトロント。個々のアイデンティティを自由に表現できる風土が根付く多文化都市で、次世代に台頭する日本人アーティストとクリエイターを発掘し、彼らの創作活動をサポートするプロジェクトが存在する。それがCreators’ Loungeだ。

Creators’ Loungeと関わるアーティストとクリエイターは、主に日本人留学生や日系人だが、日本で知られていない現地の人々も名を連ねている。その一人がトロント在住のシンガーソングライター、ジェシカ・スチュアートであり、Creators’ Loungeが手掛ける企画の一貫として、彼女のバンドプロジェクト、ザ・ジェシカ・スチュアート・フューの初となる来日ツアーが10月4日(金)より始まっている。

The Jessica Stuart Few “Don’t Ya”

ジェシカ・スチュアートはエリザベス・シェパードの再来、次世代のファイストと呼び声が高く、その叙情的な歌声は同郷のジョニ・ミッチェルになぞらえる。一方で、フォークとジャズの要素を柔らかにミックスしたサウンドの中に、海外アーティストとしては異色ともいえる、琴の音色を大胆にフィーチャー。彼女は、琴の熟練者である母親の影響で幼少期から琴のレッスンを受け、日本で暮らしていたという異色の経歴を持っている。そんな日本との接点を持つ彼女が中心となるザ・ジェシカ・スチュアート・フューの2ndアルバム『トゥー・サイド・トゥ・エブリ・ストーリー』の来日記念盤が、9月11日(水)にリリースされたばかりだ。ギターと琴の共存、持ち前のスモーキーな歌声と懐の深いバンドアンサンブルを濃縮した楽曲は、本国カナダでは手放しの賛辞を受けるほどの好評価。彼らは今、最もカナダのインディーシーンにおいて話題を集めていると言っても過言ではない。

Qeticでは今回の来日ツアーに合わせて、ジェシカ・スチュアートとCreators’ Loungeの主宰者、加藤豊紀にインタビューを行った。日本とカナダを結ぶ二人の言葉は、次世代を担うクリエイター候補の夢を膨らませてくれることだろう。

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