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【レポート】Galileo Galilei、ライブレポが到着！当日は新旧入り混じるセットリストに新たな演奏アプローチも

Music ｜ 2013.12.23 Mon

Galileo Galilei ALARMS TOUR 2013
2013.12.06（FRI）@TSUTAYA O-East

今年Galileo Galileiは大きな決断をし、クリストファー・チュウ（POP ETC）という憧れの存在でもある人物と対等に組して、USインディーやシューゲイザーの色を濃くしつつ、骨太なバンドサウンドも両立した傑作『ALARMS』をものにした。そこで得た手応えをいよいよファンの前で堂々と鳴らす旅、それが今回のツアーだ。

新作中心になることを予想したセットリストは1曲目から良い意味で裏切られた。なんと’10年リリースの1stシングル“夏空”がこの日のオープナー。サポートメンバーであるDAIKI（from CURTISS／G）、いしばしさちこ（Syn、Cho）とのアップデートされたアレンジが新鮮すぎる。意外な幕開きと歌い出してからすぐ笑顔になった尾崎雄貴（Vo、G）にみなぎる力がバンドをさらに駆動させ、続く“パイロットガール”では尾崎和樹（Dr）のシュアなドラミングに瞠目。“Jonathan”では背景を彩るSEのシーケンスも心地良い。MCを挟んで、音源では打ち込みメイン、過去のツアーとはメンバーも違うアルバム『PORTAL』のナンバーが続くのだが、物語性の強い“老人と海”が瑞々しいギターポップと野太いファンクネスの両面を湛えていたことに、バンドの研ぎ澄まされた今の感性を実感。

再び『ALARMS』からの新曲のブロックではフィードバックノイズから始まり地メロに沿いながらサビに向けてうねりだす佐孝仁司（B）のセンス、間奏も音源よりドラマティックだった“フラニーの沼で”などメンバー3人の凄まじいスキルアップに快哉を送らずにいられない。１stアルバム『パレード』から披露された“18”はサウンドの変化より、むしろ歌詞にある雄貴のいい意味での頑固さや未来への期待や不安が今でも有効に届くことを証明していた。そして本編のクライマックスは“愛を”だろう。特徴的なベースラインに自然に起こるハンドクラップが思いの外大きい。フィジカルに訴える弾性の強いビートがここまでライブで昇華されていることにちょっとした感動を覚え、本編ラストは“星を落とす”の高潔なまでに澄んだアンサンブルが頭上で煌めいて上昇していくようだった。

鳴り止まないアンコールに応えて登場したバンドは、初期楽曲“ハローグッバイ”を大胆にリアレンジして披露。スタジオライブ映像で見てはいたものの、和樹がドラムパッドで人力ダブステップ的なビートを刻み、発表当時から最も飛距離を見せた演奏はこの日最も驚きに満ちた１曲だった。その後、雄貴が『ALARMS』制作までの逡巡、熱くは見えないけれど内面は熱いバンドであること、先ほどの“愛を”でのファンの反応に一瞬、涙腺が危なかったことを話し、「バンドやっていくぜ！　って気持ちになれました」と感謝を述べる。そこに新たな始まりにふさわしい歌詞としっかりした足取りにも似たビートとスケールを持つ“バースディ”が高らかな宣誓のようにこの夜を締めくくった。新旧の楽曲を並列することで、今のバンドの演奏力やセンスを浮かび上がらせたこの日。もちろん、今回のツアーは、その意思表明に違いない。なお、この日、2014年2月1日（土）、渋谷公会堂でのワンマンも発表。ダイナミックに動き始めた彼らの動向を追いたい。

セットリスト
01.夏空
02.パイロットガール
03.Jonathan
04.明日へ
05.老人と海
06.時計塔
07.花の狼
08.スワン
09.サークルゲーム
10.フラニーの沼で
11.Cobalt Blue
12.夢に歌えば
13.ALARMS ～ロンリーボーイ
14.18
15.愛を
16.青い栞
17.星を落とす