90年代に人気を博した女性R&Bシンガー=マイアの新作から、数々の有名アーティストに楽曲を提供してきたタージ・ジャクソン、リル・エディといった裏方ソングライターのデビュー作などを送りだし、世界からも注目される日本のレーベル〈マンハッタン・レコーディングス〉。
同レーベルのアーティストたちの魅力を一度に味わえるのが、人気DJミックス・シリーズの『THE HITS』だ。1月15日(水)には、シリーズ最新作『Manhattan Records Presents“THE HITS 6”(Mixed By DJ TAKU)』がリリースされるが、大ヒットとなったマデオン“The City”の共作者/ヴォーカリストとして注目を集めるザック・ウォータースのポップなクラブ・チューン“Skinny Dipping In The Deep End”、モータウン・ポップを現代的にアップデートしたようなリル・エディ“Say Say(Take A Chance)”といった爽快な幕開けを飾るこの第6弾もまた、同レーベルが誇るアーティストたちの代表的なヒット・シングルから隠れ人気曲まで、DJ TAKUによる臨場感溢れるノンストップ・ミックスで心地よく聞かせる作品となっている。また、本作のリリースに合わせて『THE HITS』シリーズ1から5まで一挙大セールが開始される。人気コンピを丸ごと揃えやすいビッグ・チャンス、是非この機会を逃さないでほしい。
2012年6月に第1弾が発売されてから、シリーズすべてiTunes R&B/Hip-Hopチャートで1位を獲得してきた『THE HITS』。この人気の裏にあるのは、数々の魅力的なアーティストや作品を世に出してきた〈マンハッタン・レコーディングス〉というレーベルそのものが持つ“何か”であるはずだ。そもそも、渋谷 宇田川町のレコード屋だった〈マンハッタン・レコード〉はどうしてレーベルを始めたのだろう。〈マンハッタン・レコード〉/〈マンハッタン・レコーディングス〉とは? そんな疑問から、〈マンハッタン・レコーディングス〉に話を聞いてみることにした。
Interview:〈Manhattan Records〉
――〈マンハッタン・レコード〉っていつ頃からあるんでしょうか?
80年代からですね。30年以上になります。今で34年目ぐらいですね。元々はレコード屋さんで、渋谷警察署の裏にあったんですが、こっち(宇田川町)に移ってきて20年以上です。店舗が〈マンハッタン・レコード〉で、そこから派生したレーベルだったりディストリビューションだったりの分野が(マンハッタン・)レコーディングスという棲み分けです。
――では〈マンハッタン・レコーディングス〉はいつ頃から?
初期はNITRO(MICROPHONE UNDERGROUND)とかMUROさんの作品をやっていたんですが、その時はレコーディングスという名前ではなくて、母体になる〈レキシントン〉の名前を使ってやっていたと思うんですけど。確か、本格的にレーベルが始まったのは2007年です。元々、海外のCDを扱うディストリビューション(流通)の部署があって、そこでディストリビューションをやりながら制作もするようになり、それが最終的に制作のほうがメインになった、という感じです。
――この『THE HITS』シリーズがスタートしたきっかけって何かあるんでしょうか?
お店にはDJブースがあったり、ミックスCDが好評という背景もあるんですが…たとえばiTunesだと人気の曲は目に見えて分かるわけですが、シングル・カットされなかったアルバム曲が実は人気があったりということもあって。でもそういう曲も別に手を抜いて入れた曲というわけではないんですよね。なので、寄せ集めとかではなく、シングルでは出せなかった曲を一度整理し直して、20曲で1本流れを作って提示してみようか、ってところが始まりです。DJミックスにしたのは、アーティストのアルバムを持っている人たちでも、違う聞き方ができるように意識してなんです。たとえばサビがあって、ブリッジに飛んで、アウトロに行ったりとか、DJミックスでないと出来ないような聴き方ができるようにエディットしてもらっていたりしてます。
――毎回20曲というのはこだわりなんですか?
30曲でクイックにやってしまうより、曲調も含めてちゃんと“イイ”ところというか…曲が楽しめるギリギリの線がどこかと考えたときに、20曲がちょうどいいかな、と。
――なるほど。多くの曲は2分以上だったり、長めに聞けるようになってますもんね。
そうなんです。入れ過ぎもよくないかな、とも思いますし(笑)。