2014年は「インディーR&B/オルタナティヴR&B」と呼ばれる次世代R&Bアーティストたちの快進撃が止まらない! ザ・ウィークエンドやフランク・オーシャン、ケレラなどの活躍を経て、サム・スミス、バンクス、サンファ、ケンドリック・ラマーのレーベル・メイトSZAなど……オルタナティヴなR&Bの波はいよいよシーンのど真ん中に上陸。彼/彼女たちはアリーヤ、ディスティニーズ・チャイルド、ケリス、ディアンジェロなどミレニアム期に活躍したモダンR&Bアクトの音にベース/ビート・ミュージックなど様々な要素を融合させ、フレッシュな音楽を作り出している。そして、その中でも破格の注目を集めているのがFKAツイッグス。
デビュー前からロードを筆頭にアルーナジョージ、カリブー、T・ペインなどが次々にラヴコールを送れば、NYでの初ライヴにはヴァンパイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグも来場。そしてリリースされたデビュー作『LP1』は、原稿執筆時点でも海外の主要メディア27本のレビュー平均で88/100点という今年屈指の高評価を獲得。日本でもiTunesのエレクトロニック・チャートで1位を獲得した他、クレオパトラを模した「私が音楽シーンの新たな女帝よ」と言わんばかりの“Two Weeks”のMVは、公開から2ヵ月足らずで160万回再生を越えている。彼女こそが、2014年を代表する音楽界の“イット・ガール”なのだ。
FKAツイッグス『LP1』ジャケ写
その最大の特徴は、まるで全ての馴れ合いを拒否するかのような圧倒的なオリジナリティと、どこまでも素性が知れない神秘的な雰囲気。そこで今回は、彼女の「神秘度」をキーワードに、FKAツイッグス・サウンドの魅力を紐解いてみましょう!!