イギリスが誇るDJ/プロデューサー、ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)!
ラジオDJとしてはもちろん、100枚を超えるコンピレーション作品の監修、アーティストのプロデュース、フェスティバル主催・キュレーションなど、活躍の幅は底知れず。30年に渡り、音楽の“今”を発信続けるアーティストとして活動し続けています。
そんなジャイルス・ピーターソンが11月20日(木)から23日(土)に渡りジャパン・ツアーで来日! 今年の6月にはブラジル愛が詰まったプロジェクト・ソンゼイラ(Sonzeira)のリリースしたことが記憶に新しい彼ですが、ツアーではどんなマジカルな空間をつくりだしてくれるのでしょうか?
Qeticでは今回の来日にあたってジャイルスのインタビューを入手。来日公演への意気込みはもちろん、自身のレーベルや最近のお気に入りのトラック、私生活についてなどいろいろ答えてくれました!
Interview:Gilles Peterson
–––間もなく来日ですね。
日本に行くことは、いつも楽しみにしてるよ! こうして毎年来日することで、その間、音楽シーンにどんな変化があったのか、そして自分がやってきた仕事を改めて振り返ってみるんだ。この1年で僕は、新しいブラジリアン・プロジェクト・ソンゼイラ(Sonzeira)を立ち上げた。リオで制作し、ワールドワイド・リリースをしたんだけど、仕上がりにはとても満足しているよ。そして僕のレーベル〈Brownswood Recordings〉からも新譜を何作かリリースした。さらに、『グランド・セフト・オート』というコンピューター・ゲームのために架空のラジオ局作りもしたんだけど、世界で最も人気があるゲームの1つだから、新規オーディエンスの獲得や、新しい音楽をより多くの人に届ける機会に繋がっていると思う。こういった新しいトピックとともに日本に戻れることはとても気持ちがいいことだね。
■レーベル〈Brownswood Recordings〉について
–––〈Brownswood Recordings〉所属の男女デュオ、Anushka(アヌーシュカ)が日本でもラジオ・ヒットし、アルバムセールスも好調です。彼らとの出会い、そしてお気に入りの理由を教えてください。
アヌーシュカはクラブ・カルチャーとエレクトロニック・ミュージクが絶妙に融合された、とてもイギリスらしいアーティストだと思う。ディスクロージャーや、ジェシー・ウェア、ジュリオ・バッシュモア、ジョイ・オービソンのようなアーティストたちと同じシーンから来ているんだけど、彼らの歌詞から感じ取れるレフトフィールド的な姿勢や曲作りは面白い。ビートのセンスもあるし、ダンスミュージックとしても素晴らしい。
アヌーシュカ – “Never Can Decide (Official Video)”
フリーズ(Freeez)を連想させるんだよね。ソンゼイラではフリーズの“Southern Freeze”をカバーしたけど、フリーズは、Jazz-Funk-Punkっぽいバンドで、アヌーシュカはダンスミュージックとインディーの融合と表現すればいいかな。とにかくアヌーシュカは、僕のお気に入りなんだ。
そして彼らとの出会いは、奇遇なんだけど、〈Talkin Loud〉時代にアシスタントをしてくれた友人が、彼らのマネージャーをしているんだ。 彼が音源を届けてくれて、聴いた瞬間に気に入ったから即契約しようと決めたんだ。
–––これからの〈Brownswood Recordings〉は?
レーベル運営は、ラジオ番組の制作、クラブDJ、フェスティバルオーガナイズ、そして作品のプロデュースなど、僕が手がける仕事の中でも、かなり手間がかかるんだ。レーベルを商業的に成り立たせることは、10年、20年前に比べると決して簡単な時代ではないし、現実的にならなければいけないので、本当に好きでなければ続けられない仕事なんだ。だから、ゴースト・ポエット、マーラ、スウィンドル、ディグス・デュークなど、所属するアーティスト全てが僕のハートにグッときたアーティスト。特に、ディグス・デュークは、今とても力を入れているアーティストなんだ。新しいアルバムが完成したばかりで、それはもう最高な出来で興奮してるよ。少しズレのあるキーを使いこなせるジャズの感覚、温かいソウル。そして、人々が今何に興味を示しているのかをしっかりと映し出す意味でのヒップホップ感を歌詞で表現できる。ホセ・ジェイムスとサーラーのオンマス・キース、その両者の世界観を持ち合わせていて、しかも少しクレイジーな所もあって、とてもいいキャラクターの持ち主。ライヴも面白いよ。
ディグス・デューク – “Something In My Soul”