やましたみか個展「風呂女子」
01.20(火)~01.25(日)@東京都 The Artcomplex Center of Tokyo
湯船に浸かる彼女と目が合った。
白い部屋に、蒼のコントラスト。
一糸まとわぬ女性たちが、浴室で、泡にまみれて、問いかける。ベッドの上でくつろいでいる。
扇情的な姿をしているのに、まず「愛しい」と感じるのは作家の気持ちが作品に表れているからだろうか?
「一日の終わり 一日の始まり
体温より 少し熱いお湯をかぶり
疲れか、細胞か、喜びか、
少しずつ、少しずつ
流して、洗って、ほどいてゆく
血の巡りと 心地よい水分に促され
わたしの身体が少し火照る、艶やかにふやける
眼に見えないほんの少し新しいわたしが
湯気に包まれつつも、外気に触れたとき
新しいわたしは何を思っているのだろう
今日もわたしたちは、お風呂にはいる」
(やましたみか)
蒼い写真は「サイアノタイプ」という特殊技法で撮られている。
フォトグラファーのやましたみかさんは、大学時代にこの技法と出会い、そこからずっと蒼い写真を撮り続けている。現在ではデジタル加工での写真が主流を占めるなか、ほとんど100%近くハンドメイドの作業にこだわる。
「元々はフィルムで写真を撮っていたので、手の温もりを感じる、実際に触れるところがいいと思いました。この方法は薬品の調合が難しく、慣れるまでは大変で、始めても途中でやめてしまう人が多くいます。私は像が全然出てくれないことも面白く感じて、自分なりの方法を少しずつ確立していきました」
「青写真」、「日光写真」とも呼ばれるこの方法は、2種類の薬品を調合し紙や布などに薬液を塗布、光を当てて写真を焼き付けていく。