ターンテーブリストの高度なスキルに加えて、卓越した選曲センスと創造性、さらには観客をアゲるパフォーマンスや現場へのアジャスト能力など、ダンスフロアを司るあらゆる才能が総合的に問われるDJコンペティション<Red Bull Thre3Style>(レッドブル・スリースタイル)。この大会をきっかけに、トーンとメロディをミックスする奏法「Tone Play」(トーン・プレイ)が世界的に流行するなど、新たなテクニックやスタイルが飛び出すことでも注目を集めている世界最高峰のDJバトルである。

その<Red Bull Thre3Style 2015>のワールドファイナル(世界決勝)が、今秋9月に東京で初開催決定。一昨年、カナダのトロントで最年少チャンピオンに輝いたSHINTAROに続く、若き世界王者の誕生にも期待が高まる中、その挑戦権を賭けて各都市予選を勝ち抜いた8名の精鋭が大阪に集結。「OWL OSAKA」を舞台に熾烈な闘いを繰り広げた。

海外の参加国も大きな関心を寄せていたこの大会、フロアには決戦をひと目見ようと集まった関西のパーティピープルと、出場ファイナリストを応援するために全国から駆けつけたフォロワーたちで早くから足の踏み場もない状態。日曜日の夕方にもかかわらず、次々と押し寄せる観客に度々の入場規制がかかるほどの盛況ぶりだった。

そんな熱気に包まれながら、先陣を切ってスピンしたのは広島代表のDJ TAISEI。DABOの“拍手喝采”、“デッパツ進行”とJラップの名曲ダブを連発して上々なすべり出しを見せた。続く二番手は福岡代表DJ YOSSY。MCハマーやエミネム、ジェームス・ブラウンなど、誰もが知るヒット曲をベースに世界標準のルーティーンでアウェイを感じさせない大歓声を浴びた。残り時間の告知を利用して会場を沸かしたのは札幌代表、三番手のDJ KAZUYA。ラスト3分前、某クッキング番組のテーマ曲を合図に怒濤の追い込みをかけて浪速のオーディエンスを狂喜させた。

仙台代表DJ SONICは出だしから機材トラブルに見舞われるも、ギアを入れ直した中盤の高速スクラッチとトーン・プレイできっちりと挽回、激戦区東京を制して乗り込んだDJ KATO-Pはビヨンセやテイラー・スウィフトを要所で挟みながら、洗練されたセットを提示した。続いて登場のDJ LEGOは敗者復活のワイルドカード枠から一気に飛躍。“ラジオ体操第一”דAll I Do Is Win”のマッシュアップでガッチリ掴んだかと思えば、「BAD」のワードプレイを経由したマイケル・ジャクソンのメドレーなど、 随所で非凡なセンスを見せつけジャッジをうならせていた。

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