ベックともコラボ!グラミー賞受賞者、フルーム(Flume)って?

エレクトロユニット、ホワット・ソー・ノット(What So Not)を2015年に脱退し、その後ソロ活動を本格スタート。先日には<第59回グラミー賞授賞式>に参加し、「最優秀ダンス/エレクトロニック アルバム」(Best Dance/Electronic Album)を勝ち取ったことも記憶に新しいオーストラリア・シドニー出身のアーティスト、フルーム(Flume)

少年時代から音楽に触れる環境で育ち、トランス・ミュージックに出会うと、11歳の頃には自ら楽曲を制作し始めます。フルームのつくりだすサウンドにはTRAPやFuture Bassの要素を取り入れており、ドリーミーでエッジを効かせたビート・メイキングが特徴的。そのユニークなサウンドは“Flume Drop”または“Flume Synth”等と呼ばれ多くのフォロアーを生んでいます。2013年にはチェット・フェイカーやタ・ク、クラシックスらも所属しているオーストラリアのレーベル〈Future Classic〉よりデビューアルバム『Flume』をリリース。収録曲の“Left Alone ft. Chet Faker”や“Holdin On”が話題となり、活動を世界的へと広げました。

Flume – Left Alone feat. Chet Faker

昨年2016年にはアルーナジョージやロックレジェンドのベックとのコラボ曲も収録されている2ndアルバム『Skin』をリリース。収録曲であるカナダ・トロントの女性シンガー、カイをボーカルに迎えた楽曲“Never Be Like You”はリリース前から大ヒットをしており、様々なフェスやライブでもアンセムチューンとなっています。

Flume – Never Be Like You feat. Kai

サム・スミス、ディスクロージャー、ロードらのリミックスも担当。サーフィンも上手!?

さらに、フルームはサム・スミス、ディスクロージャー、ロードらのリミックスを手がけ、一気に活躍の幅を広げていきました。中でもディスクロージャーの“You & Me”のリミックスは公開されてすぐにスマッシュヒットを飛ばしたので一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか。

Disclosure – You & Me (Flume Remix)

<コーチェラ>や<ロラパルーザ>、<ボナルー>、<SXSW>などメジャーフェスにも多数出演し、ここ日本ではハドソン・モホークやRL・グライムも出演した2015年の<フジロックフェスティバル>で初来日を果たしています。

また、フルームはオーストラリア出身ということもあり、サーフィンの腕前もかなりのもの! 楽曲とともにアップされた動画も話題となりました。

Flume Adventures: Day of the Wave

プシャ・Tら参加の新作EP『Skin Companion EP II』も必聴!

先述もした通り、今年2月12日には<第59回グラミー賞授賞式>にて、過去にはスクリレックスやダフト・パンク、エイフェックス・ツインも受賞した「最優秀ダンス/エレクトロニック アルバム」(Best Dance/Electronic Album)部門でアルバム『Skin』がティコやアンダーワールドを抑え見事受賞しました。

そんな彼は新曲“Enough”を公開。この“Enough”が収録されたEP『Skin Companion EP II』を2月17日に配信でリリースしました。前作『Skin』の続編的に位置づけされるこのEPには、バージニアビーチ出身のラッパー、プシャ・Tが参加した“Enough”や、モージズ・サムニー参加の“Weekend”など全4曲が収録されています。

Flume – Enough feat. Pusha T

そして今回『Skin Companion EP II』をリリースしたばかりのフルームのインタビューが到着! アルバム『Skin(スキン)』のことや今までのゲスト・シンガーのこと、さらにはヴィジュアルへの拘りなどを語っています。

Interview:Flume

【インタビュー】ディスクロージャーやベック、ロードも一目を置く!?豪のトラックメイカー、フルームとは? Flume-2016_credit_Cybele-Malinowski-088-1-700x467

——アルバム『Skin(スキン)』に対する「グラミー賞最優秀ダンス/エレクトロニック・アルバム」の受賞おめでとうございます。授賞式に出席されてどうでしたか?

クールな体験だったよ。父親もオーストラリアから飛んできてくれて一緒に出席したんだ。お昼頃から出席して、僕が授賞したのは2時とか3時。終わったのは10時頃だから凄く長い授賞式だったけど、記念に残る1日になったよ。

——特に印象的だったパフォーマンスや会いたかったスターは?

お金の掛け方にビックリしたよね。ザ・ウィークエンドとダフト・パンクの共演パファーマンスなども印象的だった。グラミー初体験の僕としては、ひたすら傍観しているって感じだったかな。特に会いたいスターはいなかったけど、セレブは周囲にいっぱいいたよ。父親と一緒だったから、僕は大人しくしていたけど(笑)。

——これまで母国オーストラリアで多数の賞を受賞されてきましたが、「グラミー賞」ではまた違っていますか?

レベルが違っているよね。世界に認められたという感じで。とはいえ、受賞云々はそれほど大切なことだとは思っていないんだ。勿論、受賞するのは嬉しいけれど、そのために音楽をやっているわけじゃない。うん、でも、やはり受賞するのは嬉しいよ。自分のやっていることが正しかった、間違っていなかったんだと教えてくれる。

Flume Wins Best Dance/Electronic Album | Acceptance Speech | 59th GRAMMYs

——以前にアルバム制作はこの先しばらくしないと発言していたようですが、今回のアルバム『Skin(スキン)』に対するグラミー受賞で、少し考えが変わったりは?

「グラミー賞」を受賞したことで、やりたいように活動すればいいんだって確信を持つことができた。これまでも自分の思い通りにやってなかったわけじゃないけれど、いっそうその思いを強くしたんだ。ニュー・アルバムの制作にすぐさま着手したくないのは、前作『Skin(スキン)』の制作にとにかく時間が掛かったからなんだ。今は音楽を作ったら、すぐに発表したい気分かな。コラボなどにも興味があるし。

——例えばどのようなコラボを考えていますか?

この間ロサンゼルスに引っ越したばかりだから、まだ具体的な計画はないけれど、何ができるかなって楽しみにしているんだ。ソフィー(英国人エレクトロニック・アーティスト)とは、普段からいろいろ一緒にやっているよ。彼もLAに在住で、オーストラリア・ツアーにも一緒に来てくれたんだ。

——アルバム『Skin(スキン)』を振り返ってどう思われますか?

時間は掛かったけれど、仕上がりにはとても満足している。ネクストレベルに上がれたなって思うんだ。ファースト・アルバム『Flume(フルーム)』は、あれはあれでクールだったと思うし、自分のスタイルを編み出すことができた。オンライン向けを想定していて、好評も得られたと思うんだ。でも『Skin(スキン)』に関しては、もっと広く主要なラジオ向けというか、メインストリームにも受け入れられている。全然スケールが違うよね。

Flume – Skin LP Preview