Future(フューチャー)やDrake(ドレイク)、Migos(ミーゴス)、Big Sean(ビッグ・ショーン)、21 Savage(21サヴェージ)、kanye West(カニエ・ウェスト)、Lil Uzi Vert(リル・ウージー・ヴァート)など今を輝くMCたちを次々とプロデュースしているのがMetro Boomin(メトロ・ブーミン)というプロデューサー。

Music Business Worldwideによると、今年の第一四半期のアメリカで最も売れた作曲家は、ドレイクやThe Weeknd(ザ・ウィークエンド)、 Taylor Swift(テイラー・スウィフト)を抜いてメトロ・ブーミンが一位になったとのこと。アメリカで最も一般的であるビルボード ホット 100によると、ミーゴス”Bad and Boujee”, Post Malone(ポスト・マローン) “Congratulations,” Kodak Black(コダック・ブラック)”Tunnel Vision”、ビッグ・ショーン “Bounce Back”など、上半期に5曲のナンバー1ソングをプロデュースしました。

彼が手がけこの時代を代表する曲はすでに何曲もありますが、2017年の初めに大ヒットしたミーゴスによる“Bad and Boujee”は、ミーゴスのoffset(オフセット)が「最近のラッパーはみんなミーゴスのようにラップする」とVLAD TVで述べているように、今のラップシーンに大きな影響を与えています。

Migos – Bad and Boujee ft Lil Uzi Vert [Official Video]

ヒップホップにおけるプロデューサーの特徴は?

メトロ・ブーミンに限らず、ヒップホップ系のプロデューサーは曲のどこかで聴いた瞬間にその人の曲だとすぐにわかるプロデューサー独自のフレーズを盛り込んでいることが多く、メトロ・ブーミンの場合それは「If Young Metro don’t trust you I’m gon’ shoot ya」(メトロがお前を信じないなら撃っちまうぜ)というフレーズ。

そしてもう一つが「Metro Boomin want some more n–!」(メトロはもっと欲しがってるぜ!)というフレーズ。このどちらかを聴いたらメトロ・ブーミンの曲です。上記の“Bad and Boujee”ではイントロに「If Young Metro don’t trust you I’m gon’ shoot ya」のフレーズが聞こえます。「あ、このプロデューサーなのか!」と分かるようになれば、ヒップホップをより一層楽しむことができますね。

カニエ・ウェストやトラヴィス・スコット、 D.R.A.M.(ドラム)などとコラボしているCharlie Heat(チャーリー・ヒート)の曲では「Good Charlie」というフレーズをイントロ部分で聴くことができます。今年<サマソニ>で来日したケラーニの“Undercover”でチェック!

Kehlani – Undercover [Official Audio]

メトロ・ブーミンの経緯

現在なんと23歳のメトロ・ブーミン。ヒップホップに最も特化しているリリックサイトGeniusを参考に彼の経緯を紐解きます。

レランド・ウェインことメトロ・ブーミン(以下、メトロ)は1993年にミズーリ州のセントルイスに生誕。子供の頃からビートメイキングに強い関心をもっていたそうです。一番最初に使用したのは母親からのギフトであるというFruityloops(フルーティーループス)と呼ばれるDAW。

メトロはラップすることよりも曲作りを好み、後には毎日夜な夜な5つ以上のビートを制作していたそうです。そして、メトロはジョージア州のアトランタに通学するようになった頃からすでに売れていたアトランタのトラップレジェンド・Gucci Mane(グッチ・メイン)と関係を築いていたそう。

高校を卒業すると、若きメトロ(メトロ・ブーミンはYoung Metroとよく称されます)はジョージア週のモアハウス大学に進学、ビジネスマネージメントの学位を志ざしますますが、1学期のみ在学の後に、曲作りのために中退します。メトロはラップにも挑戦し、『19 & Boomin』というミックステープを2013年に発表しますが、より曲作りの方に専念するようになります。

その後、メトロは著名なラッパーやR&Bアーティストらのプロダクションに参加し、その人気をどんどん上昇させていきます。彼の地位を確固たるものにしたのはドレイクとフューチャーのコラボプロジェクト『What A Time To Be Alive』。アーティストとして広く知られるプロデューサーの一人になりました。そしてまだ23歳……。

代表曲は?

先ほど挙げた“Bad and Boujee”や“Jumpman”の他にも代表曲は多数。

21 Savage & Metro Boomin – No Heart (Official Music Video)

21サヴェージはメトロと同じアトランタのラッパー。米ヒップホップ専門誌XXLで2016年の新人(Freshman Class)の一人に選ばれ、現在大活躍中。最新作は『Issa』。21サヴェージとメトロのコラボアルバムもあるので、チェックしよう。

そして、今年最も売れたシングルの一つ、そして今現在最も売れてるラッパーの一人・フューチャーの“Mask Off”。

Future – Mask Off

フューチャーもアトランタ出身のラッパー。ドレイクやマルーン5など、幅広いアーティストらとのコラボレーションなどもしながら活動中。2017年にリリースした『FUTURE』が一位を獲得、その次の週にリリースされた『HNDRXX』(フューチャー・ヘンドリックス)が続いて一位を獲得し、2週連続で異なるアルバムが一位を獲得した初のアーティストになりました。

Kodak Black – Tunnel Vision [Official Music Video]

Big Sean – Bounce Back

Post Malone – Congratulations ft. Quavo

コダック・ブラック、ビッグ・ショーン、ポスト・マローンの3曲はどれも上半期のビルボード ホット 100でナンバー1に輝きました。

今後もヒットを飛ばしていくであろうメトロ・ブーミンを要チェックです!!!