インドをはじめ世界各地へ旅をし続けながら、海外と日本に共通する民族衣装等の引き継がれてゆくべき文化性を『身に纏うもの・日常で機能するもの』として生活的要素へと感性に沿って作りかえ、ジャンルレスで自由な思考でものづくりをしているブランド・Lehが2020年1月から20S/S春夏コレクションのリリースをスタート。そのコレクションが公開されている。
これまでのLehのコレクションテーマは「KARMA」(2012)、「石」(2013)、「Protection」(2017)、「8million」(2019)等仏教の思想を題材にした広義的なものから、主に1950年代に活躍した音楽家Chet Bakerの叙情的で美しい世界観を表現した「BORN TO BE BLUE」(2018)、ビートジェネレーションを代表する作家William Burroughsの手法を元に紙を布に置き換え作成した「THE CUT UPS」(2019)など、敬愛する人物に焦点を当てたものまで、多角的な視点で発信をしてきた。
イメージモデルには過去にmiu、仙人掌らが登場
イメージモデルは面識の有無に関わらず直感的に選出。過去には自らの声や身体をプラットフォームに、音楽、美術、舞台芸術の分野でパフォーマンスを展開する山川冬樹や、国内外のアーティストとのコラボレーション/プロデューサー、Ovallとしても活動するmabanuaなどが登場。
他にも中納良恵、ラキタ、仙人掌、光風、miuと多種多様なラインナップとなっている。
今回のテーマは「THE POP STAR」
Leh2020SSのタイトルは「THE POP STAR」。超初期段階に浮かんだタイトルは変更することなく採用されたといい、POP STARとはわかりやすい対ポップアイコンではなく、やや暗い気配のある現代の中で自らを導いてくれる「私のPOP STAR」という感覚的な意味を表している。
アイテムにはリフレクターテープや大量に手付けされた絹糸、Vintageのベークライトボタン・ガラスボタンなどの光物を使用。今回のインナーテーマで有る荒廃的な酔いどれ詩人Charles Bukowskiの詩を全面に手刺繍したジャケットやパンツ等も展開している。
撮影はVitali Akimov
またコレクションの撮影を担当したのはロシア人カメラマン・映像作家のVitali Akimov。Lehのデザイナーとはインドにて出会い意気投合。彼の撮る写真の技法やスタイルを気に入り、今回Leh2020SSの撮影の為に日本へ呼び寄せたといい、彼としては初の日本での撮影作品となる。著書に様々なアーティストやミュージシャンへのインタビューと写真を実験的手法を用い、珍しいデザインで掲載した『The Strangers』などがあり、現在、アフリカのアルビノの子供たちに関する大規模なドキュメンタリーに取り組んでいる。