ケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)のムック本『ケンドリック・ラマー:世界が熱狂する、ヒップホップの到達点』が河出書房新社より発売された。
2011年に初スタジオアルバム『Section.80』、翌年にセカンドアルバム『Good Kid, M.A.A.D City』で世界を席巻し、2015年には大作『To Pimp a Butterfly』を発表、2017年に4枚目の『DAMN.』をリリース。2018年には<FUJI ROCK FESTIVAL>のヘッドライナーとして登場、今年3月にはTDE元社長のDave Freeと共に新プロジェクト「pgLang」を発足、4月に日本公開のプレイリスト・ムービー『WAVES』に“Backseat Freestyle”が選出、さらに10月には初の評伝『Butterfly Effect』の刊行情報が公開されるなど、最重要ラッパーの1人として常に名前が挙がるケンドリック・ラマーを多角的に見つめる一枚となる。
Welcome to pgLang. https://t.co/IucgqwEiG0 pic.twitter.com/pooIBPEWl0
— Kendrick Lamar (@kendricklamar) March 5, 2020
日本で活躍するラッパーは、ケンドリック・ラマーをどのように聴き、何を感じているのか?
本誌では、「日本で活躍するラッパーは、ケンドリック・ラマーをどのように聴き、何を感じているのか?」をテーマに日本語ラップ・シーンで活躍する8名のラッパー、Awich、C.O.S.A.、Kamui、OMSB、Moment Joon、DyyPRIDE、KOJOE、仙人掌へのインタビューを掲載。さらに、ナタリーの「パンチライン・オブ・ザ・イヤー2019」でも話題のGenaktionらによるディスクガイドほか、ケンドリック・ラマーの魅力に迫るコンテンツが目白押し。ぜひ手に取っていただきたい。
RELEASE INFORMATION
ケンドリック・ラマー:世界が熱狂する、ヒップホップの到達点
2020.03.27(金)
河出書房新社編集部 編
インナーシティの矛盾と救済を複雑に織り込んだリリックや、ジャズやファンクなどを積極的に摂取する革新的な楽曲で全世界から支持を集め、早くもヒップホップ・クラシックとなったその存在に迫る総特集。
【日本語ラップとの交差点/Interview】
Awich 自分を掘り下げた先にある、調和の響き
C.O.S.A. “善良さ”をラップする
Kamui 拠り所なき時代と、生を肯定する音楽
OMSB ケンドリはすごいからすごい
Moment Joon 断絶したルーツの先で響く歌
DyyPRIDE 資本主義世界を生きる奴隷の、新たな霊歌
KOJOE ブラインドスポットを多彩に掴む、パーフェクトなハーモニー
仙人掌 世界の“声”に寄り添うヒップホップの力
――取材・構成=二木信、彫真悟、渡辺志保
【ラップ・ミュージックの現場/Live And Direct】
渡辺志保 USラップ、2020年の現在地
奥田翔 ケンドリック・ラマーの半径5メートル
ヨシダアカネ ラップ・ファンタジーの新たな地平
【ケンドリック・ラマーのエレメンツ/Elements of Kendrick Lamar】
塚田桂子 ギャングスタ・ラップとは何か?――その系譜と精神性
imdkm フロウとペルソナ――ケンドリック・ラマーにおける(複数の)フロウ
長澤唯史 ケンドリック・ラマーと内省のアメリカ文学
【人物評伝/Biography】
African American Cutural Legends
――押野素子、木村久、Jeremy Harley、塚田桂子、冨永有里
【サウンドの軌跡/Disc Guide】
Genaktion Section.80
塚田桂子 good kid, m.A.A.d city
吉田雅史 To Pimp A Butterfiy
Kaz Skellington(渡邉航光) untitled unmastered.
押野素子 DAMN.
【ブックガイド/Book Guide】
Riverside Reading Club BOOK GIVES YOU CHOICES
【論考/Critique】
野田努 2015年という記念すべき年、その光と闇
磯部涼 彼は誰を「ぶっ殺し」たのか――ケンドリック・ラマーのラップ・シーンにおける立ち位置
山下壮起 ギャングスタ・コンシャスネス――解放された世界へのアナムネーシス
マニュエル・ヤン キング・クンタのたましいとはいったいなにか?
ディスコグラフィ/Discgraphy
――小林雅明