日々の喧騒の中から少し深呼吸をして、今ある暮らしを眺める。そんな時に言葉や写真を残すことで新たな気づきがあるかもしれません。『葉書のえらびかた』は、暮らしにまつわる気づきに対し、ラッパー・maco maretsがゲストを迎え、エッセイを交わすQeticオリジナル企画です。写真提供はmaco maretsのミュージックビデオを多数担当し、近年では広告映像など活躍を広げている写真家/映像作家・河澄大吉

第五回のゲストは、シンガーソングライター/プロデューサー/DJのMaika Loubté。エレクトロニックミュージックの影響を受けたユニークなスタイルや、多言語で構成されたリリックをはじめとした、独自の感性から繰り出される作品が年々注目度を増しているアーティストです。

ホストのmaco maretsとは、2020年3月にリリースした“Niet II”で共同制作を果たすなど、親交ある関係。この両名がどんなエッセイを交わすのか? そして、河澄大吉がふたりから得たインスピレーションをどのように解釈するのか? ぜひ最後までお楽しみください。

葉書のえらびかた – Maika Loubté編

マイカさんとはじめてお話ししたのは2年前のとあるパーティ。実をいうとわたしはそれ以前から“Skydiver”“You and I”などのMaika Loubté楽曲に聴き惚れていたただのファンボーイで、その日は「大好きです!」と耳まで真っ赤な告白をしたのみでした。

しかしその後、拙作『Circles』のリリースパーティに出演してもらえることになり……なんとそこで「せっかくなら一緒に歌いませんか」と誘ってくださって、その日限りのコラボレーションとして生まれたのが『Niet II』(のちに音源リリースもされました)。この曲に声をのせたときの、わきたつような喜びの感覚は今でも忘れられません。

さいきんは一緒に公園でホットサンドを焼いたり、お茶を飲みつつ家の話をしたり、なんだかのんびりした間柄ですが、折に触れて感じるのはマイカさんがとてもやさしくチャーミングで、でも同時に静かな火を絶えず燃やしているような力強さをたたえた人だということ。とにかく慕わずにはいられない、still「大好き」なアーティストです。

maco marets