京都府亀岡市が、市の歴史文化を発信するメタバース空間「KAMEOKA VIRTUAL HISTORIA-亀岡バーチャルヒストリア-」をはじめとする、「亀岡市デジタル文化資料館構築事業」で制作中のデジタルプラットフォームを3月29日に公開。
ハイクオリティ・エンターテインメント・ユーザーフレンドリーの3つをキーワード
「亀岡市デジタル文化資料館構築事業」は、亀岡市が、地域に眠る様々な魅力をデジタルの活用により適切に保全するとともに可視化し、より多くの人に最大限届けるべく推し進めている文化事業。本事業では、仮想空間上で亀岡市の歴史や自然・文化資源に触れることができるメタバース空間「KAMEOKA VIRTUAL HISTORIA」や、市内で守られている文献、仏像、芸術作品等の文化遺産をデジタルアーカイブ化した「データベース」、またそれらにアクセスするプラットホームとなるホームページの制作を行なっている。
近年、ビジネス分野に留まらず、地域振興や観光誘致の観点からも注目が集まっているメタバース技術。亀岡市のメタバースは、ハイクオリティ・エンターテインメント・ユーザーフレンドリーの3つをキーワードに、「学び」の要素と「遊び」の要素をかけ合わせ、“亀岡ならでは”の体験の提供を目指す。
メタバース空間では、クエスト型ゲームのようなストーリーに
「KAMEOKA VIRTUAL HISTORIA」は、亀岡市文化資料館が所蔵する文化財をはじめ、市内各地の伝統芸能・祭事・風習・自然などの歴史文化資源を再現したメタバース空間。現在はみられない亀山城天守や御殿などの亀岡の街並みを舞台に、参加者は各所にちりばめられた歴史資料を集めることで、地域にまつわる歴史に触れることができる内容に。なおアプリ等のインストールは必要とせず、お手持ちのデバイスから誰でも手軽にアクセス可能だ。
本コンテンツでは、参加者同士の交流を目的としたメタバース空間とは異なり、クエスト型のゲームに似たストーリー性を付加することで、訪れた方が一人でも長時間楽しめるような体験設計となっている。また、文化財をデジタルアーカイブ化するだけではなく、リアリティのあるハイクオリティな世界観にこだわりが詰まっており、時間と空間を超えたアクティビティを通して高い没入感と体験満足度を創出する。
「KAMEOKA VIRTUAL HISTORIA」楽しみ方/ストーリー
【ストーリー】
亀岡市文化資料館からの依頼で、亀岡の歴史を収集するための”HISTORIA-歴史書-”を完成させる事になった主人公は、過去の亀岡にタイムスリップする時空の旅へ。過去の亀岡に散らばった「歴史物語の破片」を集め、「亀岡の歴史物語」を完成させることが主人公に与えられたミッションです。また、「歴史物語の破片」以外にも、「文化遺産」「自然」「暮らし」といった様々な情報を撮影し、「図鑑」を充実させていくと「歴史ハンターとしての称号」が与えられます。参加者は「歴史ハンター」として自分だけの「HISTORIA」をつくりながら、亀岡をめぐる旅を楽しみます。
【楽しみ方】
①「KAMEOKA VIRTUAL HISTORIA」ランディングページからアクセス
②お好きなアバターを選択
③過去の亀岡を巡る旅へ参加者は「歴史ハンター」として「歴史物語の破片」をはじめとする様々な情報を収集します。
また、メタバース空間上の人に話しかけたり写真を撮ったりすることも可能です。
仏像や芸術作品、出土品等の立体物も精緻なデジタルデータとして所蔵
亀岡市文化資料館をはじめとする、市内各所に所蔵されている文化遺産をデジタルアーカイブ化した「データベース」の制作も進行。データベースには、文献のみならず仏像や芸術作品、出土品等の立体物も、精緻なデジタルデータとして所蔵されており、亀岡市文化資料館のホームページからアクセスが可能だ。また、「KAMEOKA VIRTUAL HISTORIA」とも連携し、メタバース空間内で文化財を収集するとデータベース内の情報を閲覧することができる。
2022年に博物館法が改正され(2023年4月1日施行)、博物館の事業として、デジタルアーカイブの作成と公開が明記されたが、亀岡市デジタル文化資料館事業では、最先端の撮影・スキャンニング技術を駆使することで、空間を超えたよりリアルな博物館体験が提供されるので、こちらも期待が高まる。新たな体験の創出を行う、本コンテンツをぜひチェックしてほしい。
発表記者会見よりコメント
亀岡市長 桂川 孝裕
クオリティがとても高くゲーム感覚で楽しんでもらえるものになりました。この仮想空間を通じて、亀岡にこれだけ豊かな歴史遺産や文化遺産があるんだということを知っていただいて、実際に亀岡に足をはこんでもらえるようなきっかけづくりができるのではないかと思っています。
株式会社stu CEO 黒田 貴泰
今回のプロジェクトはメタバース空間上での体験の価値がすごく高いものになっているので、ぜひ今後はこういったものを活用して、教育や観光につなげていくことが実体的にできれば、新しい次元になっていくと考えています。また、今回はモノとしての文化財をデジタルコンテンツとして環境的にも優しく、低コストで保存・維持することができたことにすごく可能性を感じました。今後、行政機関とデジタルツインの技術が密接に連動して、行政の新しい未来を開拓していっていただけると嬉しいですね。