Interview : Nic Offer(ニック・オファー / !!!)
――先日、初めてチック・チック・チックのライブを観させていただいたのですが、本当に素晴らしかったです。
それは良かった。あの日は僕らも楽しめたよ。
――今年の<SXSW>はいかがですか?
良い感じだよ。色んなところでライブをやっているけど、そこまでクレイジーなこともなく、割とリラックスしながらできてる。新譜はオースティンでレコーディングしたから、ちょっと帰ってきた感じがするしね。
――ライブは何か観ましたか?
空いた時間にスカイ・フェレーラとザ・オーシーズ(今年2月に来日)を観たんだけど、オーシーズがやばかったよ。久しぶりに衝撃を受けたね。
――オースティンでレコーディングしていたんですか?
うん。アルバム全体の80%ぐらいはね。アルバムのプロデュースをスプーンのジム・イーノにお願いしたんだけど、彼がオースティンにスタジオを持っているんだ。
――しかし、なぜジムをプロデューサーに迎えたのですか?
何よりもまず僕らはみんなスプーンのファンだからね。スプーンの音楽はダンスミュージックではないけど、サウンド的にダンスミュージックにも合うと思ったんだ。
――前作『ストレンジ・ウェザー・イズント・イット?』から3年が経ちましたが、ツアーと作曲のほかには何かしていましたか?
いや、アルバム作りに専念していたかな。前作が出た年はツアーで忙しかったし、翌年はほとんど曲作りをしていたからね。レコーディングには去年一年かかったしね。
――レコーディングの行程はいかがでしたか?
ほかのアルバムと比べるとすんなりできたよ。みんなやる気に満ちあふれていたし、良いヴァイブのなか作れた。全員がそれぞれ自分の役割をしっかりこなして、なおかつ楽しみながら作業が進められた。アルバムによっては毎日喧嘩ばっかりしながら作り上げるようなものもあったからさ。
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――なぜこのアルバムを『THR!!!ER(スリラー)』と名付けたのですか?
僕らはいつもアルバムのタイトルを決めるときに、なるべくアルバム全体を表すようなものを選んでいるんだ。その言葉がバンド自体を表現していたらなお良いんだけどね。アルバムがバンドの一部になるというか。
『THR!!!ER』は元々ジョークから来てるんだ。アルバム作りの最中にバンドメンバーと一緒に「〜にとっての『スリラー』(マイケル・ジャクソンの代表作)と言えば・・・」みたいなことを言い合っていたんだ。例えば「U2にとっての『スリラー』と言えば『ヨシュア・トゥリー』だよね」とか「ヴァン・ヘイレンと言えば『1984』だよね」とかね。アルバムの曲全部がヒット曲、みたいなね。
――つまりバンドのキャリアを代表するような作品にしたかったということでしょうか?
その通り。マイケル・ジャクソンの『スリラー』は世界で一番売れたアルバムだったしね。バンドっていうものはアルバムを作るたびに「これが僕らの『スリラー』になるはずだ」と信じてレコーディングに挑むもんだよ。これがいわゆる「名盤」と言われるようなものになればいいなと思ってさ。まぁレビューを読むまでは何とも言えないけどね。
――ファーストシングルの“Slyd”を聴いたのですが、そのミニマルさにびっくりしました。アルバム全体としてはどんなサウンドになるのでしょうか?
バリエーションに富んだ作品になっているよ。ある意味で今まで作ってきた中で一番ポップな作品と言えるし、ある意味で一番ダンスミュージック色が強いし。ライブですごく映えるような曲とか、ハードロック調の曲もあるしね。色々な側面があるアルバムだよ。
――レコーディングにおいて、これまでと変わった点と変わらなかった点は何ですか?
僕らはアルバムをレコーディングするたびに、曲作りに重きが置かれていくんだ。前のアルバムを作ったときに「4分間の曲を作るということ」について本当にたくさんのことを学んだんだけど、今回はより一層学ぶことが多かった。作曲の力はかなり上がったと思うよ。よりフレッシュなサウンド作りができるようになったんだ。
“Slyd”を聴いただけだとわかりにくいかもしれないけどね。あの曲のプロデューサーはジム・イーノじゃないし、アルバムの中ではちょっと異質なんだ。“Slyd”は「サンプリングで作られたように聴こえる曲」っていうコンセプトで書いた曲だよ。でもほかの曲は小細工なしで作られてる。
――アルバムのカバーはどこから来ているのでしょうか?
ネット上で見つけた写真が元になっているんだ。最初は「ちょっと面白い写真だな」ぐらいに思っていたんだけど、いつものカバーみたいに3枚横に並べてみたらすごく良く見えてきてさ。アルバム全体を表現しているというかさ。
ちょうど1曲目は“Even When The Water’s Cold(=水が冷たいときでも)”っていうタイトルで、まさに水の中に跳び込むような曲だしね。前作のカバーは氷の上に「!!!」って掘られたものだったから、それを打ち砕いていくようなイメージとも重なったしね。
――来日公演の予定などありますか?
もちろん日本にも行くと思うよ。ちょっと今はまだわからないけど、レーベルに確認してみて。新しいアルバムを出して、日本でライブをやらないなんておかしいからね。
(※4/22に来日公演(7/4)が発表!)
――ツアー以外で今後何か決まっていることなどありますか?
まだわからないね。ツアーで忙しくなると思うし、それがまた楽しみでもあるんだけど。当分はライブばっかりやっていると思うよ。
(interview by Dan Shimizu)
Event Information
!!!プレミア来日公演
2013.07.04(火)@代官山UNIT
OPEN 18:30/START 19:30
ADV. ¥5,500(1ドリンク別)
TICKET:
先行発売:2013.04.27(土)~
beatkart、イープラス(12:00~)
一般発売:2013.05.11(土)~
beatkart、イープラス、チケットぴあ、ローソンチケット 、会場UNIT
主催:SHIBUYA TELEVISION
企画制作:BEATINK(03-5768-1277)