アップデートしながら継続的に行われるたかくらかずきの制作活動と展示<アプデ輪廻>が、“4.0 -天国・地獄・大地獄-”として、アートギャラリーTOHにて12月16日(木)〜26日(日)まで開催されることに。
たかくらかずき<アプデ輪廻 ver4.0 天国・地獄・大地獄>が開催決定!
<アプデ輪廻 ver4.0 天国・地獄・大地獄>は、2021年3月のARTIST FAIR KYOTOでの“ver1.0”、4月のSTYLYでのオンライン展“2.0-デジタルデータの実家-”、そして7月の京都HAUSでの展示“3.0-三途の川渡り-”に続く4回目の展示。今回が<アプデ輪廻>シリーズの最後の展示となる。
一連のシリーズは“ハードウェアとしての物質/肉体”と“ソフトウェアとしての魂/精神”の関係性について、日本仏教や東洋思想の観点を引用して制作した美術作品群だ。作品は「Startbahn Cert.」で発行されるブロックチェーン証明書「Cert.」に紐づけられたエディション付き作品や、NFTデジタルデータとして販売される。<アプデ輪廻 ver4.0 天国・地獄・大地獄>開催に向けて、たかくらかずきからのご挨拶も到着。今注目を浴びる気鋭のアーティストによる展示<アプデ輪廻>の集大成をぜひ会場で堪能してほしい。
アプデ輪廻 ver4.0 天国・地獄・大地獄に向けてのご挨拶
2020年6月、新型コロナウィルスの波から逃げるように僕は東京から京都に引っ越した。
そのことにより観光、自然、信仰がより身近になり、情報の集積地である東京は画面の向こうの世界になった。僕はもしかしたら“この世”から“あの世”に引っ越したのかもしれない。今の僕にとっては画面の手前の世界が“京都”で“この世”であり、東京は”画面の向こうの・あの世”だ。小さな日本の中での話だけど。
日々更新される感染者数のグラフと株価や仮想通貨のグラフ。それに影響するように揺れ動く僕個人の生活、精神状態の変化、妻や家族との関係性、以前より遠く離れた友人たちとの想像上の関係値。そしてそういったものがすべて架空のグラフ上で上昇と下降を繰り返す。望まなくても時は進み、時が進むことで上がったり下がったりする。上がらなければ下がらない。下がらなければ上がらない。全てが連動した大きな乗り物のように常に揺れている。人はずっとそのように生きてきたが、やっと僕が視認できるようになったにすぎない。
輪廻の話をするときに出てくる六道(天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道)は死後の世界ではなく、現世そのものにそれぞれのレイヤーが重なっている。現世を修羅として生きる人もいれば、天国として生きる人も、地獄として生きる人もいる。天国だったものが地獄になったり、大地獄になったりする。死後の魂は上へ上へと上昇し、肉体は地面の底へ埋まるとして、それでも時間は横に続いていくのか、それとも人は人生を終えてやっとジェットコースターのような1本の時間軸から降りて、波紋のように広がっていく時間を体験することができるのだろうか。あらゆるハードウェア(肉体)に時間はまっすぐ直角に蓄積する。ではソフトウェア/デジタルデータ(魂)はどうか?我々はデジタルデータ(魂)が存在していると信じていても、次の瞬間には信じる人が誰もいなくなり、跡形もなく消えてしまうことがある。魂は0と1でできている。
私たちはデジタルデータという信仰の時代に生きている。
たかくらかずき
▼合わせて読む
・<アプデ輪廻>たかくらかずきの独創的な着眼点:社会の異端としてのヴィランに
EVENT INFORMATION
アプデ輪廻 ver4.0 天国・地獄・大地獄
2021年12月16日(木)〜26日(日)(月・火休み)
12:00~19:00
入場料:無料
場所:TOH
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ケ谷5丁目20−11 第一シルバービル 1B