「わからない」から始まるアートとのコミュニケーション

一緒に遊ぼう

1つとたくさんの椅子さん、一緒に遊ぼう！

『1つとたくさんの椅子さん』

金沢21世紀美術館に初めて行った時、感じたこと。それはアートを「体験」したという印象でした。自分で何かを創ったたわけではありませんが、実際に自分でアートとコミュニケーションが取れた。会話ができた。友達になれた。そんな豊かな体験でした。実際に触ったり、参加できる作品たちは、距離を縮めることができる親しみさがあると思っています。ぜひ、「一緒に遊ぼう」と声をかけてみましょう。遠くから見ることでは分からなかった、作品達の性格が見えてきますよ。

『1つとたくさんの椅子さん』はセミトランスペアレント・デザインさんの2015年の最新作です。5つのモニターの前にはカメラが取り付けられています。そこを横切ると、映像のような不思議な世界が広がってきます。カメラの前には椅子が用意されていますので、実際に座ってみましょう！

ガーデン・オブ・ルッソロさん、一緒に遊ぼう！

『ガーデン・オブ・ルッソロ』は、スズキユウリさんの2013年の作品です。写真のように、ガーデン・オブ・ルッソロさんに向かって声を掛けてみてください！　それぞれ様々な「おと」に加工された返事が返ってきます。自分の言葉が不思議な「ことば」と「おと」に変わって返ってくる。「ふしぎなコミュニケーション」を楽しめる作品です！

もっと知りたい

一通りすべての作品たちに挨拶をしてきました。でもまだ「わからない」という言葉は残ると思います。でもそれで良いんです。だって、まだ1回しか会ってないんだもの。ICCは、なんども作品たちと会話する機会を作ってくれています。少しでも気になった作品について「もっと知りたい」と思ったら、場所を移して対話することをおすすめします！　おすすめは、3つ。「参加アーティストとトークショー」、「ICCの専門家とギャラリー・ツアー」、「HIVEという映像アーカイブを使った会話」です。特に、HIVEは、10年間のICCの活動について紹介しており、過去の国内外のアーティストとのトークショーを動画で見ることができます。会場のパソコンだけでなく、Web上でも公開しているので是非！

トークショー動画一覧

ちょっと作ってみたい

僕は一時期、ロンドンにいた事もあり今回のビル・フォンタナさんの作品にとても興味を持ちました。そして今回、アーティスト・トークに参加しました。彼は、サウンド彫刻という、建築物から発せられる音を使った作品でコミュニケーションをとっているアーティストです。僕にも同じことできるかもしれないと思いました（笑）。環境音を録音して、題名にしたらできるかもしれない。そして『アート学生』という30秒の作品を作りました。

『アート学生』

これは作品じゃないって思う方もいるかもしれません。でも僕は思うんです。なんか同じように作ってみるって大事なんじゃないかって。何かを真似をすることで、新しいアイディアが生まれると思うし、もっと作品のこと知りたいな、コミュニケーションをとりたいなって思ってくるんです。作品が良い・悪いではなく、実際に、何かを見て、感じて、自分で作ってみるって、とても大事なことだと思います。今回紹介した作品以外にもたくさんの作品がありますので、是非足を運んで見てください！