<新宿座プロデュース 医療器具展2>が、2015年11月10日(火)から11月22日(日)まで、新宿・新宿座にて開催中だ。今回の展示は昨年、2014年7月に開催された<医療器具展>の第2弾となる。
誰でも病院に対してはネガティヴなイメージを持っているのではないだろうか。病院に遊びに行くことは、まずない。大抵は怪我や病気といった心身的にダメージがあるときに行く。だからどうしてもネガティヴに捉えてしまう。そこで使われる医療器具に恐怖すら感じてしまう。特に僕の場合、ひどい別れ方をした元カノが某大学病院の眼科に勤務するドクターだったということもあり、元カノを連想させる医療器具に対してはちょっとしたトラウマを抱えているのだ。それでもこの<医療器具展2>を覗いてしまったのは、元カノに対する未練がどこかにあるのかもしれない。
<医療器具展2>は現在も医療の現場で使われている器具や、もう使われなくなった器具、さらに古いアンティーク医療器具も数点展示されている。また、元大学病院手術室勤務のAKINOのサポートにより、医療器具の専門的な解説も聞くことができる。
※写真は展示風景を撮影したもので、実際の作品とは色や質感がかなり違っていることをお断りしておく。
Interview:木村春介(OFFICE HARU代表/ギャラリー新宿座 オーナー)
医療器具に妄想する
──なんでまた、医療器具展なんでしょうか?
自分は医療に携わったことはない人間なんです。こういう医療器具をコレクションしている方が最初にいた、そういう方と出会った、というのが最初なんです。そのコレクターの方がコレクションしている医療器具を見た時、自分が小学生の時とかに、保健室か理科室にあった人体模型をすごく興味深く見ていた、という記憶がその時に甦ったんですね。で、単純に人体模型を全部、ばらしてパズルみたいにはめたことって自分にはなかった。そういうことをやってみたい、と思ったことが始まりでした。そして、自分と同じように人体模型だとか、人体を切り開いて治療する医療器具に興味を持っている方っているんじゃないかな? と思ったのが、展示をするきっかけになったんです。
前回の展示では、コレクターの方に譲っていただいた医療器具だけで展示をやったんです。だから、自分がどんな医療器具に興味がある、というのではなくて、ただある医療器具を使ってどういうふうにレイアウトして展示したら面白く見せられるか?ということを考えました。しかし今回は、前回展示した医療器具が少なかったという反省もあったので、いろんなところからつてを辿って、医療器具を所有している方に借りて、今回これだけのものが増えたというところです。
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