2017年7月にレディオヘッド(Radiohead)は批判を受けながらもイスラエルでのライブを敢行。

一方で、2017年12月にロード(Lorde)がイスラエルのテルアビブでのライブ開催を発表するも批判の声を受けキャンセルしている。

そして、今回ラナ・デル・レイ(Lana Del Rey)がイスラエルで開催される音楽フェス<METEOR FESTIVAL>出演決定に対する批判に対して声明文を発表している。

2009年のイスラエルでの作家・村上春樹の文学賞受賞スピーチ、覆面アーティストのバンクシー(Banksy)のイスラエルでの活動を含めてそれぞれの対応を振り返ってみる。

レディオヘッドの場合|表現の自由、音楽は教会をなくすもの

イスラエルで芸術活動を行う是非|レディオヘッド、村上春樹、バンクシー、ロード、ラナ・デル・レイの場合 art180820_israel-art_1-1200x675

2017年7月にイスラエルでライブを行うことに対する抗議の声に、フロントマンのトム・ヨークはネタニヤフ(イスラエル首相)もトランプも支持していないがアメリカでライブを行っているということ。音楽、アート、そして教育は境界をなくすためのもので表現の自由を実現するためのものであるという見解を示していた。

ロードの場合|議論した結果キャンセル

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2017年12月に2018年6月にイスラエルのテルアビブでライブを行うことを発表したロード。

しかし、発表から約一週間後には様々な視点を持った方々と議論した結果、公演をキャンセルすることにしたと発表した。

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ラナ・デル・レイの場合|政治的な意図はない

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2014年にラナ・デル・レイはイスラエルでの公演をキャンセルしていたが、今回音楽フェス<METEOR FESTIVAL>出演に際して声明を発表。

「テルアビブでパフォーマンスすることに政治的な主張や関与はないということを再認識してもらいたい」と政治的な意図は存在しないことを主張。

純粋に現地にいるファンのためにパフォーマンスをしたいだけだと説明しています。

この声明に対して、 学術的、文化的なイスラエルのボイコットを訴えるPACBI(Palestinian Campaign for the Academic and Cultural Boycott of Israel)がラナ・デル・レイに出演を考え直すように要請。

パレスチナ人に対して隔離政策を行うイスラエルでライブを行うということは、アパルトヘイト(人種隔離政策)が行われていた南アフリカでライブを行うのと同じようなものだと批判している。

バンクシーの場合|分離壁に作品

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© MARCO PROSERPIO 2017

イスラエルがヨルダン川西岸地区に設置した高さ8m、未着工区間も含めると全長700km近い「テロ対策用防護フェンス」(分離壁)。

2005年8月に覆面グラフィティーアーティストのバンクシーが分離壁に作品を描いている。

さらに2017年にもパレスチナのヨルダン川西岸地区南部のベツレヘムに作品が出現。

Bethlehem 2017. #peaceonearth

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また、ベツレムに存在自体がバンクシーの作品になっている「世界一眺めの悪いホテル(『The Walled Off Hotel』)がオープン。

輝くホテルの看板のスタイリッシュなホテルとベツレヘムを囲む分離壁からわずか4メートルの距離にあるホテルとなっており、強烈なメッセージ性のあるホテルとなっている。

イスラエルで芸術活動を行う是非|レディオヘッド、村上春樹、バンクシー、ロード、ラナ・デル・レイの場合 film180720_banksy_9-1200x675
© MARCO PROSERPIO 2017

村上春樹の場合|「壁と卵」の受賞スピーチ

社会の中の個人の自由のためのエルサレム賞(エルサレム賞)を受賞した作家の村上春樹。

「非常に個人的なメッセージ」と前置きをしたのちに、「もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます」と比喩表現を用いながらコメントを述べている。

<METEOR FESTIVAL>にラナ・デル・レイの他にもフライング・ロータス、ニーナ・クラヴィッツ、ムラ・マサ、ソウルワックス、エイサップ・ファーグ、カマシ・ワシントン、DJ Kozeなどの出演が発表されている。

Final Line Up 🦋 www.meteorfestival.com

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METEOR FESTIVAL