原 淳之助による個展<≃>(ニアリーイコール)が、半蔵門ANAGRAにて3月9日(月)まで開催される。
デカルトは間違いない事実を探した結果「われ思う、ゆえにわれ在り」と残している。自分が考え思っていることだけは疑いようがない。本展では、自分が見ているものは本当に他人にもそう見えているのか。その見え方は正しいものなのかということをコンセプトに、Instagramの#workout(筋トレの自撮り)などを基にしたグレートーンの展示が行われる。ステートメントは以下よりチェックしよう。
ステートメント
SNSがこんなにもありきで回っている世の中
ビジュアルのコミュニケーションが今までになかったモノの見え方を作り出している
世界は流動的に動き続けているはずで
自分で見ている世界と相手が見ている世界はきっと違う色と形をしているし画面に写っているそれは記号性を強調しわかりやすさが正解になったりする
そう、世の中の見え方が1つしかない訳がない
イメージには実態がなく、まるで幽霊のようだ
全てのイメージ、バージョンを内包し、もしくは異なる視点が変化し重なり合ってこの世は作られている
どの見え方にもヒエラルキーはない
「誤った見え方」は間違っているのか「正しい見え方」が本当に正しいのか
全てが黒か白な訳じゃない
あちらとこちらを行き来する変化を楽しみ、戯れることで、未来の自分は面白くなれるはずだ
ANAGRA
詳しい解説
環境によって様々な人格を意識的か無意識的か関わらず演じることと、益々盛んな写真、動画によるビジュアルコミニュケーションの中で生まれている図像の個人、SNSのテキスト、音声など、全てをニアリーイコールだと考えて、
ニアリーイコールが統合される運動を、個人、個体、オブジェクトとして私たちは認識している。
それらに実体はないし、本質などもなく、ただ暫定的な虚構、静的(変化しない)幽霊を見ているだけ。
#workout というInstagramのタグがある。
トレーニングで日々鍛えた身体を記録し、他者に見せていくためのものだ。
常に更新されていく身体を、その時のバージョンの個人として書き出していき、それらの複数のイメージを総括して個人(アカウント)と認識している。
また、私たちはアカウントと、実際に会ったときの記憶や、聞いた話を統合し、個人を認識している。
無数のバージョンが細胞のように結びつくことで、オブジェクトが形成されていくことの現代的な象徴であり、新作のモチーフとする。
EVENT INFORMATION
≃
2019.03.01(金)〜2019.03.09(土)
ANAGRA
千代田区平河町1-8-9 地下1階
OPEN
WEEKDAY 15:00-22:00
HOLIDAY 14:00-21:00