2018年10月5日、渋谷のMAGNET by SHIBUYA 109で、「LINE NEWS」初のオリジナル連続ドラマ『ミライさん(全5回)』のイッキ見イベントが開催されました。同イベントには主演ののんさんも登場するとあって、抽選に当選したファンや視聴者でそぼ降る雨もなんのそのの盛況ぶり。これまでの4話に加えて、イベント翌日にオンエアされる最終話を一足早く大人数で見る楽しさに湧きました。
『ミライさん』イッキ見イベントレポート
この日、イベントの当選者にはミライさんをイメージさせる赤いジャージの上下やドラマでおなじみのうずまきキャンディーが配布。会場内には、ソフトドリンクやおやつもあり、ビルの屋上というロケーションでありつつ、家のテレビを見ている感覚が楽しめました。
「LINE NEWS」上で視聴できる『ミライさん』は1話あたり約10分。字幕も表示され、スマートフォン向けの連続ドラマ作品として制作された作品。今よりちょっとだけ未来を生きる家族を描いたホームドラマですが、のん演じるミライさんは「ニートだけど、人間が働かなくてもいい未来のためにあえて働かない、自称・革命家」というユニークな設定。そんな彼女を優しく見守る母・イマコ(堀内敬子)、「働かないなら家を出て行け」と対立する父・フルキチ(マキタスポーツ)、未来のツールを発明しながら妹であるミライをサポートする兄・トモロウ(本郷奏多)、そしてロボペットのコタロウと昭和感あふれる家で暮らしています。父との確執(?)や、ロボットとの恋愛など、ミライを中心に繰り広げられるドタバタ劇と、今と変わらない家族の物語です。
上映前に登壇した企画とプロデュースを担当した谷口マサトさん(以下、谷口P)曰く、企画書は「アホな家族が出てくるホームドラマ」の一行だったとか(!)。「LINE NEWS」初の試みでSNSでいかに反応があるか注視していたそうですが、「幸いにも民放ドラマと同じぐらいツイートしてもらえて嬉しいです」と満足げ。さらに見所を聞かれると「1話から順番に撮影していったので、回を重ねるごとに家族感が増してるところ」だとか。このあと、4話分のイッキ見に突入。
4話を見終えて会場から拍手が起こる中、待望ののんさん登場。「ミライさんのジャージを意識して赤にしました」と、ミライさんとは打って変わってスタイリッシュな赤のドレス姿ののんさんにさらに大きな拍手が。谷口Pとのトークも撮影エピソードやのんさんらしさが満載でした。
のん×谷口Pスペシャル対談
——以前、別のメディアでミライさんについて「革命家なのに何もしない変な役、これまで演じさせていただいた役の中で一番クズだなと思う役ですね」と答えられてましたが、ミライさんのどのあたりにクズを感じますか?
のん 普段はお兄ちゃんに甘えきってるところですね。お兄ちゃんが自分が何をしても許してくれるとわかってる上で、いろいろやらかしちゃうので、そこがクズだなぁと思います。
谷口 まぁ盗みもしてますからね、親の金を。
のん そのシーンは一番クズです。ちょっと引くほど(笑)。
——クズを演じるために工夫したことは?
のん そのキャラクター性は台本の中に書かれてるんですけど、これを実際演じる時にどういう見せ方が一番楽しい見え方になるんだろう? って考えてましたね。そのままクズまっしぐらになっちゃうと(笑)、どうしようもない役になっちゃうので、可愛げのあるクズにしたいなと。
谷口 脚本のアドバイスもいただきまして、例えば2話の骨折のシーンがあるじゃないですか? あれ天罰ですね。クズすぎると天罰が下ってもいいんじゃないか? と。あれはのんさんのアドバイスです。的確に「ここはこうした方がいい」と言ってもらって助かりました(笑)。
——撮影に入る前にヘアメイクさんとテンションを上げていたそうですが、実際にどんなことを?
のん まず朝起きて、現場に着いたら「フー!」って言って、「イエーイ!おはようございます!」みたいな感じでテンション上げて、着いてくださってるヘアメイクさんが明るい変わった方なので、その方とすごいおバカな話をして盛り上がってました。あ、ハイテンションなところはあるんですけど、ミライだから上げてたところもあって、通常これだと思われたら恥ずかしいなと(笑)。
——ハイテンションなミライさんとのんさんの共通点は何かありますか?
のん 子供の頃のミライさんとはちょっと友達になれそうだなと思って。あのくらいの砂遊びして、お山を崩したりして、そういう子供のいたずら心には共感しました。
——いたずらをする女の子だったんですか?
のん そうですね。パワフルで、砂場でお山潰したり。
——今よりちょっと先の未来を描く「ミライさん」では、様々なデジタルツールが登場しますよね。のんさんは貰えるとしたらどれが欲しいですか?
のん 私はバーチャルワーカーと、ニューラルインターフェイスがいいかなと思います。バーチャルワーカーは本当に便利だなと思って。向かう時間が省けるのでそれまでよりももっとたくさん仕事ができるかなと。
谷口 それでもミライは働くの嫌がってますけどね(笑)。
のん (笑)。ニューラルインターフェイスは異国の人と話が通じるというのは交流が広がっていくので面白そうだなと思って。仕事でも日本語じゃない仕事が来た時に話が通じやすくなるなと思って。
——1話にはイケメンロボットが登場しました。てつおくんは紳士な感じで、たくやくんはちょっとチャラい感じの男の子ですがどちらがお好みですか?
のん 難しいですね。てつおさんはほんとに誠実感が素敵な人ですけど、多分たくやもあんな感じだけど、めっちゃいいやつだと思います。ミライさんと付き合ってあげるぐらいだから優しい、余裕があると思います。でも私はてつおさんかな。
——最終話ではミライさんがついに何もしない生活から抜け出すという展開になりましたよね。ミライさんの成長についてのんさん、どう感じましたか?
のん 労働にならなければミライはアクティヴに動けるんだって、すごく納得しましたね。働いてないけど、悪いことも思いついた時の行動力はものすごいなと思って。
谷口 あの力で働けばすごいのにと思いますけどね(笑)。演出もアドバイスを頂きまして、お父さんがお小遣いをあげようと思っても拒否する、それはのんさんのアイデアです。「哲学を持ってるキャラクターの方がいいんじゃないか?」と。
のん 盗みはするけど、労働の対価は得ない。どうなんだ?成立してるのか、その理論は? と思いましたけど、そういうハチャメチャなキャラな方がいいんじゃないかと。
谷口 キャラの一貫性という部分でそれはのんさんのアドバイスでしたね。
——では最後に、のんさんご自身の未来の夢についてお聞かせいただけますか?
のん 夢はミライさんのシーズン2を(観客、拍手)シーズン4、5とやりたいです。
谷口 おお。そうなるとまずてつおが帰って来ますね、修理されて。それでたくやと三角関係になりますね(笑)。
と、ここでのんさんのトークは終了。が、さらにスペシャルゲストが登場すると聞いて、参加者は「お兄ちゃん?」「コタロウだったりして」と、期待値マックス。さらなるゲストを待つ間、参加者から谷口Pへの質問や感想コーナーが。谷口P曰く、女優復活作となったのんさんの起用はネット上にあふれる「のんさんの演技を見たい」という声、未来は個人の時代と言われる中、個人の才能を発揮しているのんさんがぴったりなのでは? という理由だったとか。確かに役柄もオンエアされるメディアも今となってはのんさん以外考えられないハマりようです。
そして現れたスペシャルゲストは「ミライさん」! ジャージ姿で登場し、参加者のリクエストに応えてポーズをとり、最後は全員で集合写真を撮影し、大盛況のうちにイッキ見イベントは終演しました。
参加者からは「回を重ねるごとに家族の関係性が変わっていって、それはドラマの外でもそうだったんだろうなって想像できました。5話しかなかったけど、朝ドラをいてる気分で、早くシーズン2が見たいです」とか、「長すぎず短すぎずの尺がいいなと。シーズン2にも期待してるんですが、他の役の方、例えば本郷奏多さんメインのスピンオフみたいなものも楽しいかなと思います」と、新シーズンや企画ものへの期待の声も。
イベント終了後もホワイエのミライさん等身大パネルなど、フォトスポットで写真撮影するなど、『ミライさん』を満喫した様子の参加者の皆さん。自由な発想の「LINE NEWS」ならではのドラマ、のんさんの女優復活作という待望感を多くの人とシェアできたイベントでした。
INFORMATION
『ミライさん』
出演者:のん/本郷奏多/マキタスポーツ/堀内敬子
スタッフ:吹原幸太(脚本)、ニシオカ・ト・ニール(プロット協力)、梅野悠大(音楽)、宮本鉄馬(VFX)、 谷口マサト(企画・プロデュース)
制作・著作:LINE株式会社
放送媒体:LINE NEWS(「LINE」アプリ「ニュースタブ」内)
Text by 石角友香
Photo by にしゆきみ