昨今のコロナ禍中、おうちにいる時間が増えたという方も多いことだろう。
これほどまで多く、そして唐突におうちにいる時間が増えてしまうと、余暇をどう過ごしたらいいのかわからない。なかには、家でヒマを持て余してしまっている方もいらっしゃるはずだ。
かくいうQetic編集部も、おうちで何をしたらいいんだろう、なんて思いにふけりながらNetflixで配信中の映画やドラマなんかを観ていたところ、こんな考えがふと頭をよぎった。「アーティストの人たちってこの作品を観て、どんなことを考えているんだろう?」
ということで、Qeticではこの度、Netflixで現在配信中の映画やドラマ、ドキュメンタリーなどの映像作品の中から、アーティストの方々にひとつの作品を選んでいただき、その作品に対してどんな思いや感情を抱いているのかを赤裸々に語っていただいた。彼らの意見を聞いた上で作品を観れば、きっと思いを共有できるはず!
第28弾は、ユイミナコによるソロユニット・MINAKEKKEが語る『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。
MINAKEKKE – 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
個人的にはこんな別名をつけたい。『自己愛の成れの果て あるいは(芸術への一生の恋か)』。
こうなりたい、こうなっていたはずだ、という理想にそっぽを向かれ、それでも過去の栄光にすがり続ける主人公は自己中心的だし、いわゆる嫌な奴の部類に入るのだけれど、
どこか自分に重なる部分もあるから、嫌いにはなりきれないし、
ところどころ「アイタタタ……」と思いながら観ていた。
自分の理想に恋し続けられた者は美しいのか、はたまた、振り向いてくれないことを半ば分かりつつ恋をやめない者は醜いのか。
否、ただ夢を見ているわけじゃない、それに恋をしてしまっているから、やめられないのだと、ああなんて厄介だと思いながら、主人公のことを人ごとだと思えないのだ。
「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」予告編(30秒)
Netflix 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
▼合わせて読む
Vol.25 平野沙羅 – 『MEG ザ・モンスター』
Vol.26 TAWINGS – 『フレンズ』『ミス・アメリカーナ』『スキンズ』
Vol.27 スズキカズシゲ(I Saw You Yesterday) – 『昭和元禄落語心中』
INFORMATION
MINAKEKKE(ミーナケッケ)
ユイミナコによるソロユニット。
アシッドフォーク、ゴシック、ニューウェーブ、ドリームポップ、クラウトロック、シューゲイザー、トリップホップなどの要素を貪欲に取り込み、シアトリカルな美学に裏打ちされた耽美な世界を構築する。
2017年、1stアルバム「TINGLES」をリリース。FUJI ROCK FESTIVAL’17 ROOKIE A GO-GOに出演。
2019年9月、トラックの機能性と生演奏の疾走感を兼ね備えたサウンドで、ロックにもダンスミュージックにもインダストリアルにも接続可能な1st EP「OBLIVION e.p.」をリリース。12月には書き下ろしで提供した楽曲をコンパイルした、スマートフォンゲーム『ムシカゴ オルタナティブマーチ』のオリジナル・サウンドトラックがデジタル配信されたばかり。