昨今のコロナ禍中、おうちにいる時間が増えたという方も多いことだろう。
これほどまで多く、そして唐突におうちにいる時間が増えてしまうと、余暇をどう過ごしたらいいのかわからない。なかには、家でヒマを持て余してしまっている方もいらっしゃるはずだ。
かくいうQetic編集部も、おうちで何をしたらいいんだろう、なんて思いにふけりながらNetflixで配信中の映画やドラマなんかを観ていたところ、こんな考えがふと頭をよぎった。「アーティストの人たちってこの作品を観て、どんなことを考えているんだろう?」
ということで、Qeticではこの度、Netflixで現在配信中の映画やドラマ、ドキュメンタリーなどの映像作品の中から、アーティストの方々にひとつの作品を選んでいただき、その作品に対してどんな思いや感情を抱いているのかを赤裸々に語っていただいた。彼らの意見を聞いた上で作品を観れば、きっと思いを共有できるはず!
第21弾となる今回は、モデルの永井莉音が語る『彼女がその名を知らない鳥たち』。
永井莉音 – 『彼女がその名を知らない鳥たち』
私はこの映画を観終わった時、自然と涙が零れ落ち、鳥肌が立ち、放心状態になった。エネルギーが吸い取られたというか、力が入らなかった。
今あなたには大切な人はいますか?家族、友達、恋人、片思いの相手……。自分の大切な人への愛の力量ってどのくらいなのだろう、そもそも愛って何なんだろう、そんな概念もぶっ飛ばす、最低で汚くて、でも深くて切なくて美しい究極の愛。共感などできない、不快になる程の愛がこの作品には描かれている。
私は泥臭くて重たい邦画が好きだが、これはトップレベルで心にずしんと重くのし掛かり、波動が響き渡ってくる。普通に生きていると考えられない、感じられない”一周回った愛”を目の当たりにすることになる。
そして本作品、蒼井優さんと阿部サダヲさんのW主演なのだが、もう演技が半端じゃ無い。松坂桃李さんや竹内豊さんなど他のキャスト陣も圧巻の演技でオーディエンスを引き込んでいく。『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』でも知られる鬼才・白石和彌監督が指揮を取った本作。海外の映画祭に正式出品、国内でも数々の賞を受賞した言わずと知れた名作である。
恋愛観をも変えるこの『彼女がその名を知らない鳥たち』。最低な人間たちがもがき、生み出す愛は愛と呼べるのだろうか?実際に観て、皆さんも自分なりに考えてみて欲しい。
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』特報
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INFORMATION
永井莉音
次世代のトップモデル・トップアーティストを発掘する日本最大級のオーディション『KIREIMO Presents 東京ガールズオーディション 2018 Powered by Ameba』にてグランプリを受賞しCanCamをはじめ10もの雑誌賞を獲得。