昨今のコロナ禍中、おうちにいる時間が増えたという方も多いことだろう。

これほどまで多く、そして唐突におうちにいる時間が増えてしまうと、余暇をどう過ごしたらいいのかわからない。なかには、家でヒマを持て余してしまっている方もいらっしゃるはずだ。

かくいうQetic編集部も、おうちで何をしたらいいんだろう、なんて思いにふけりながらNetflixで配信中の映画やドラマなんかを観ていたところ、こんな考えがふと頭をよぎった。「アーティストの人たちってこの作品を観て、どんなことを考えているんだろう?

ということで、Qeticではこの度、Netflixで現在配信中の映画やドラマ、ドキュメンタリーなどの映像作品の中から、アーティストの方々にひとつの作品を選んでいただき、その作品に対してどんな思いや感情を抱いているのかを赤裸々に語っていただいた。彼らの意見を聞いた上で作品を観れば、きっと思いを共有できるはず!

第19弾となる今回は、DYGLの嘉本康平が語る『アート・オブ・デザイン』。

嘉本康平(DYGL) – 『アート・オブ・デザイン』

パンデミックによる自粛生活で個人での制作時間が増えた。スタジオに行ってダラダラとセッションすることもなければ、友達と何かふざけた絵を描くこともない。誰かと実際に会って何かを一緒に作るという今まで当たり前だと思っていた行為が急に非現実となってしまった。初めのうちは、なるべく人と会わず、自分と向き合う良い機会だと考えるようにしていたのだが、自粛期間によってうちに篭る時間が増えると共に、無意識に無視してきた日常に潜むアートの大切さとそれを外的要因によって知らぬ間に失う恐ろしさを知るようになっていった。『Abstract:The Art of Design』はその日常に潜むアートの大切さを改めて認識させてくれる。全てのものや行動、考えはそれぞれのアートによってデザインされ尊重されるべきなのだ。独裁的な思想や恐怖によって制限されるべきではない。このドキュメンタリーは、インターネットやテレビによって形成されたマインドセットを整理整頓してくれるような体験であり、何かを押し付けてくる強い洗脳的なものではなく、知らぬ間に単一化された物事に対する見方を改めて考え直させてくれる機会なのだ。

見えない恐怖によって日常生活を脅かされ、社会の一員としての個を求められる今、アーティストとしてだけではなく一個人として、日常生活から何を得て何を生み出すべきなのかを考えていきたい。

アート・オブ・デザイン | Official Trailer [HD] | Netflix

Netflix『アート・オブ・デザイン』

▼合わせて読む
Vol.16 森瑠菜 – 『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』
Vol.17 inui(PEARL CENTER) – 『ミッドナイト・ゴスペル』
Vol.18 Michael Kaneko – 『ブルックリン・ナイン-ナイン』

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INFORMATION

DYGL

アーティストの視点から観るNetflixの映画・ドラマ・ドキュメンタリー|Vol.19 嘉本康平(DYGL)『アート・オブ・デザイン』 20616_netflix_dygl_01

DYGL(デイグロー)は2012年結成、Nobuki Akiyama(Vo,Gt.)、Yosuke Shimonaka(Gt.)、Yotaro Kachi(Ba.)、Kohei Kamoto(Dr.)の4人組バンド。2017年4月にThe StokesのギターのアルバートハモンドJrのプロデュースで1st Album『Say Goodbye to Memory Den』をリリースし、日本を皮切りに、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、韓国とアジアツアーを敢行。その後、FUJIROCK FESTIVAL’17のREDMAQUEEのステージで5000人を集めてパフォーマンスを行うなど注目を集める。2018年に活動の拠点をイギリスに移し、精力的にヨーロッパツアーなどを行いながら、日本でも12月に行った東名阪札福ツアーはすべてソールドアウト。2019年1月にはアメリカのBAD SUNSとのヨーロッパツアーを成功させ、3月には<SXSW2019>にて8公演を行う。約2年ぶりの2nd Full Album『Songs of Innocence & Experience』を2019年7月にリリースし、<FUJI ROCK FESTIVAL’19>でのライブも国内外から高い評価を受ける。北米、EURO、アジア(日本を含む)でのリリースツアー全52公演を完遂する。

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