昨今のコロナ禍中、おうちにいる時間が増えたという方も多いことだろう。

これほどまで多く、そして唐突におうちにいる時間が増えてしまうと、余暇をどう過ごしたらいいのかわからない。なかには、家でヒマを持て余してしまっている方もいらっしゃるはずだ。

かくいうQetic編集部も、おうちで何をしたらいいんだろう、なんて思いにふけりながらNetflixで配信中の映画やドラマなんかを観ていたところ、こんな考えがふと頭をよぎった。「アーティストの人たちってこの作品を観て、どんなことを考えているんだろう?

ということで、Qeticではこの度、Netflixで現在配信中の映画やドラマ、ドキュメンタリーなどの映像作品の中から、アーティストの方々にひとつの作品を選んでいただき、その作品に対してどんな思いや感情を抱いているのかを赤裸々に語っていただいた。彼らの意見を聞いた上で作品を観れば、きっと思いを共有できるはず!

第24弾となる今回は、never young beachBass巽 啓伍が語る『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』。

巽 啓伍(never young beach) – 『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』

人は意見を変えることが山ほどある。
それは寝る前に明日の昼は松屋のカレーだ、って思ったけど、朝起きてみてやっぱロイホのコスモドリアにしようとか。
それをSNSに書き込んで、お前昨日は松屋のカレーって言ってたじゃん!カレー食えよ!守れ!なんていうやつは、いない(と信じたいな)

なのに、こと社会の事となるとそうもいかない。
前はこう言ってたのに、意見に一貫性が無い、歴史上云々とか。
勿論、人が生きてきた道程を理解することを怠ってはいけないし学ぶことを止めてはいけないだろう。
ただ否定している人達もきっと自分で学び、享受してきた思考の蓄積として今の意見を所有しているはずだ。
否定するということは間接的に過去の自分も否定していることにもならないだろうか。

“ハーフオブイット”はそんな人間の未熟さを会話を通して補い、理解し合おうとする物語だ。
未熟さに無自覚な彼らは物語の中で、必要なのは否定ではなく許容することに気付いて、変化しようと努力する。
僕は自分の未熟さに気付いた上で、どれくらい変化しようと努力できているだろうか。
チューが守られた四角い白い箱から不器用に出たように、自らの価値観の外側へ踏み出す必要を教わった気がする。

The Half of It | Official Trailer | Netflix

Netflix『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』

▼合わせて読む
Vol.21 永井莉音 – 『彼女がその名を知らない鳥たち』
Vol.22 MIU(印象派) – 『愛なき森で叫べ』
Vol.23 Hiro-a-key – 『ハローキティの親子でいっしょ!English えいごの遊びうた』

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INFORMATION

巽 啓伍(never young beach)

アーティストの視点から観るNetflixの映画・ドラマ・ドキュメンタリー|Vol.24 巽 啓伍(never young beach) - 『ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから』 ac200624_netflix_tatsumikengo_01
写真:服部健太郎

土着的な日本の歌のDNAをしっかりと残しながら、USインディなど洋楽に影響を受けたサウンドと極上のポップなメロディ、そして地に足をつけて等身大の歌詞をうたった楽曲で、音楽シーンに一石を投じる存在として、注目を集めるバンド。

2014年春に結成。2015年に1stアルバム「YASHINOKI HOUSE」を発表し、「FUJI ROCK FESTIVAL」に初出演。2016年に2ndアルバム「fam fam」をリリースし、様々なフェスやライブイベントに参加。2017年にSPEEDSTAR RECORDSよりメジャーデビューアルバム「A GOOD TIME」を発表。2018年に10inchアナログシングル「うつらない/歩いてみたら」をリリース。そして2019年に、4thアルバム「STORY」を発表し、初のホールツアーを開催。また近年は中国、台湾、韓国、タイでもライブ出演。

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