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2月10日に配信リリースされたAcidclankの新作アルバム『Apache Sound』。以前からのファンの方はそのサウンドの変化に驚いた事でしょう。オルタナティブ・ロックからチル・ポップへ。バンドからソロへ。その変化の全容を、Acidclank・森 要太に聞いてみました。

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サウンドの変化の理由

今作からバンド体制をやめて、改めてソロとして活動することになったので、制作環境が変わった事によるものが大きいです。

バンド体制の時は4ピースでのライブを想定して曲を作っていたので、サウンド・ジャンル的にどうしても制約がついてしまったんですが、ソロに戻った事でそういう考えを捨てて自由に作りたい物を作るようにしました。
リスナーが「違うバンドじゃないの?」って疑うくらいにサウンド面はこれまでと大きく変えたつもりです。

今回はすべて自宅でレコーディングからマスタリングまで行ったのですが、スタジオでエンジニアの方と相談しながら作るよりも、イメージ通りのサウンドがすぐに得られるので僕の性に合ってると感じましたね。

チル・ポップへの変遷 Acidclank 最新アルバムを読み解く anotracks190219-apache-sound-2-1200x900

今作のインスピレーションの源になったアーチスト

今作は「風変わりなポップアルバム」をコンセプトにしました。 

アルバムとしてお手本にしたのは、サニーデイ・サービスの『The City』です。

基本ポップだけどちょっと変わってて、曲ごとにテイストが全然違って飽きが来ない。

『Apache Sound』はそんなアルバムを目指しました。

最終的に自分の趣味が強く出ちゃいましたが。

日本語曲と英語曲の違い

僕はトラックを作ってからメロディーと歌詞を同時に考えるので、その時に口ずさんでたのが日本語か英語かっていうだけです。メロディーによって合う・合わないはあると思うので。

ただ、今作は意識的に日本詞を取り入れるようにはしましたね。僕が日本人だからかも知れませんが、日本語詞の曲って親しみやすくてポップなイメージなんです。

日本語詞の曲を入れたのは、これまでのバンドとしてのAcidclankとは全く違う作品だとリスナーに印象づけたいっていう狙いもあります。

Acidclankは活動を始めたときからほぼ英詞で、UKロックの括りに入れられることが多かったんですが、途中からあんまり良く思わなくなって来て。「UKロック」だけを期待されても困るというか。そういったイメージを払拭して、もっとマルチな表現が出来るって事を示したくて日本語を取り入れました。

自身のサウンドを一言で表すと?

一言では難しいですね。

今作に限って言えば、大雑把にチル・ポップとかになるのかも知れませんが、前作とは全然違うので。

むしろ、サウンド・ジャンルで「Acidclankらしさ」みたいなものが出来てしまわないように気をつけています。常に「流動的」でありたいです。

次作への展望

次作についてはまだまだ何も決めてませんが、今作とは違うサウンドになると思います。

興味あるサウンドは尽きないです。

アルバム全曲解説

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M1“Riot”はアンビエントノイズを意識して作った曲です。

Fenneszみたいにノイズの中に偶然メロディーが聴こえるような曲を作りたくて、DAWで試行錯誤しながら作りましたね。

タイトル曲のM2“Apache Sound”はチルなトラックなんですが「犯罪・非行」と言ったアンチソーシャルな内容を歌ってます。

Autotune風にボーカルを重ねたり、サックスの音を取り入れたりと今までやって来なかった作り方をしましたね。

M3“Dubs”や M4“Shy”でもそうなんですが、エフェクト処理やリズムの組み方にエレクトロ的なアプローチを多く取り入れてます。

M5“Ghost Record”はサンプリングでビートを作って遊んでた時に、たまたま出来た曲です。サンプリングっぽく聴こえるラップのフレーズは僕の声です。

M6“Downtime Acid Jam”とM7“Funeral”は僕のエレクトロ好きが強く出た曲です。Luke VibertとかAphex Twinみたいないわゆる「コーンウォール一派」や〈Warp〉が大好きなので、その影響が大きいです。そのうち、こっち側に振り切ったアルバムを出すのも面白いかなって思ってます。

最後のM8“Addict Of Daydreaming”は前作『Addiction』に収録されている“Addiction”というインスト曲のフレーズから作った曲で、僕自身のバンドサウンドに対する思いを込めてます。

もともと最初はOasisとかArctic Monkeysを聴いて音楽を始めたので、バンドサウンドに対する憧れは捨て切れないと思ってます。

RELEASE INFORMATION

Apache Sound

その他のサブスクリプション・サービスAcidclank HP

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Dai Ogasawara

Ano(t)raks運営 渋谷系という言葉が生まれる以前の90年代初頭、インディーポップバンド Candy Eyes を結成、Vo.&G.を担当。初期の音はカジヒデキ氏に「日本の Mighty Mighty」と評される。2012年、The Paellas(現Paellas)のEPリリースを皮切りにネットレーベル活動を開始。リリース系統は、Indie Pop、City Pop、Electro Pop、Indie R&B、渋谷系等。

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コラムニスト/Ano(t)raks運営

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