Qeticでは『アートブックノススメ』として、毎月編集部がピックアップしたアートブックを紹介しています。
今回は年末年始特別版として、アーティストやクリエイターがオススメする書籍をご紹介! アーティストたちの本棚にはどんな本が並んでいるのか、中でもオススメの一冊とは!? リアルな本棚の写真や、お気に入り書籍の紹介コメントも。2022年に向け、新たなインスピレーションを与えてくれる一冊をぜひ見つけてほしい!
今回は、MONKEY TIMERSが主宰するパーティ<DISKO KLUBB>でレジデントを務めるjitsumitsuが『十二神将変』/塚本邦雄をピックアップ!
jitsumitsu -『十二神将変』/塚本邦雄
僕の家には本棚がない。
途中まで読んでは下駄箱の上やレコード棚の上、ダイニングテーブルの上など置けるところに置いてしまう。その上ブックカバーがかかっていたり、かかっていなかったりするので自分でも本を開くまで何の本なのか判別できない。
ただ自分なりに読み終わったり、その日持ち歩いていたものは下駄箱の上、最近買ったものは寝室のレコード棚の上、もしくはベッドの横の床に積み上げるなど一応はルールに基づいている。
今回紹介するにあたり手に取った本はダイニングテーブル上の数冊ある中でブックカバーがかかっていなかったものだが、実はまだ全て読んでいない。栞は半分ほど読んだところに挟まっていて数行読み進めると、ぼんやりと思い出すが別の本や日常で体験した記憶やらがごちゃ混ぜになって、夢を見ているような気分になってきた。
どの本も購入したきっかけは覚えているのだけれど、内容に関してはこの場面のこの部分といった印象深かった断片的な記憶しか残っていないことが多い。
この塚本邦雄の十二神将変も購入した理由ははっきり覚えていて、翻訳家の岸本佐知子さんがエッセイ中で紹介しておりタイトルに惹かれ、ある日古書店でたまたま見つけたものだ。
前述の通り途中まで読んではそこかしこに置いてしまい、謎の記憶やら別の本やらと混ぜこぜになるので僕は内容の説明が苦手だ。
万が一にも説明し、興味を持って読んだ方がいて全然話と違うじゃないかと言われることは避けたいのである。
あらすじやレビューなどはネットにいくらでもあるだろうし、もし興味を持ったとしたら来年新装版も発売されるそうなので購入してみてください。
PROFILE
jitsumitsu
岡山生まれデザイナー。真夜中、夜明け前、早朝から夕暮れまで、時間を溶かすロングプレイヤー。都内を中心に全国で活動。現在は表参道VENTでMONKEY TIMERSとのDISKO KLUBBでレジデントを務めている。