日々の喧騒の中から少し深呼吸をして、今ある暮らしを眺める。そんな時に言葉や写真を残すことで新たな気づきがあるかもしれません。『葉書のえらびかた』は、暮らしにまつわる気づきに対し、ラッパー・maco maretsがゲストを迎え、エッセイを交わすQeticオリジナル企画です。写真提供はmaco maretsのミュージックビデオを多数担当し、近年では広告映像など活躍を広げている写真家/映像作家・河澄大吉

第6回のゲストには、モデル、アーティストに加え、執筆や学会への登壇など、東京を中心に多岐にわたる活動を展開しているベイン理紗。さまざまなシーンで活躍する両名がどんなエッセイを交わすのか? そして、河澄大吉がふたりから得たインスピレーションをどのように解釈するのか? ぜひ最後までお楽しみください。

葉書のえらびかた – ベイン理紗編

僕には怖いことがたくさんある。
だから僕は自分だけの城を作っていつでも逃げ込めるようにしているのだ。

彼女をみるとそんな自分を反省する。

僕が知っている彼女の側面はそう多くはない。
僕と彼女が共有した数少ない時間それは、
彼女の畑を見たとき、彼女の日記を見たとき。

その時間だけでも、
目を逸らさずに真っ直ぐと前を向く、
地面の踏み心地さえ確かめながら歩く、
そんな彼女が、容易に頭に浮かぶのであった。

河澄大吉