続いてもアーティスト系のショップ・Renateです。ここはアーティスト、とりわけcomicやイラストレーションの作品などを販売するショップで、何とショップの奥がcomicの図書館になっています。Renateは1985年にベルリンで誕生したアーティスト集団で当初より参加アーティストを紹介する冊子Renateを発行し、それは現在にも至ります。その後、comicを中心にした私設図書館を設立し、そのうちの1店舗が今回訪れたTucholskystrにあるショップ兼図書館でした。そんなショップスペースでとても個人的に興味を持ったアーティストの作品に出会いました。そのアーティストの名は、ATAK。1967年生まれで元々はペインターを目指していたようです。彼は先ほど紹介したRenateの設立メンバーの1人で、現在はハンブルグのアートカレッジで先生をしながらアーティスト活動も続けているそうです。彼の出した『MEAN WHILE…/ATAK-WORKS FROM 1991-2011』という素晴らしい作品集を購入。コミカルなポスター付きで本当にはまってしまいました!!

さて次はVinyl Shop!! 今ベルリンにはあまり多くのレコードショップはないらしく残念でしかたありません。そんな中、Brunnestrasse通りにあるTHE RECORD STOREに行って参りました。ここは10年前にスタートしたお店ですが、オーナーが自慢の‘50年代のヴィンテージのアメリカのスピーカーがショップ中央に置かれ、様々なジャンルのレコードを扱っています。そんな中で大変興味を持ったのが、SWISS PUNKというジャンル! 聞いてみるとスイスの’80年代にかなり流行ったパンクバンドを当時一手に所属させていた〈SWISS PUNK RECORD〉というマイナーレーベルの元社長(スイス人です)とこのレコードショップのオーナーが友人で、多くの当時のレコードを仕入れているらしいのです。全て(15枚くらい)のレコードを試聴して、1枚のレコードを発掘! HLM GANGという当時10代のバンドのライブアルバムで、中には当時のギグの予定やフライヤーなども入っていてびっくりです。音的にはピストルズよりもクラッシュやラモーンズに近いストレートなパンクサウンドにはまりました! SWISS PUNKって初体験ですがいいですね!

ここからはカフェやバー情報です。まずは今回の滞在中に最も通ったカフェの・St. Oberholzです。Rosenthaler Platzにあるこのカフェはまさに地元のお洒落な人々の憩いのカフェ。ウッドの温かみと色調が絶妙なテーブルと椅子もよりリラックスさせてくれます。ここはオリジナルのフルーツアイスティーが有名。時間を忘れるくらい居心地の良いカフェです。

こちらも地元で大変人気のMunzstrabe通りにあるヨーグルトアイスのお店、yoliです。3サイズのヨーグルトアイスの量を決めたあと、ご覧のように実にたくさんある手作り感満載のトッピングから好みのトッピングを選んで完成! 30度以上ある暑いこの時期にはピッタリの冷たさとスッキリ感です。大人気でした。

次はその独特で怪しげな雰囲気ながら、気さくなスタッフのおかげか地元の人々がリラックスしに集まるバー・MEIN HAUS AM SEEです。店内にはアンティーク家具が雑然と置かれ、また奥の席はなぜかスタジアムのように階段状になっており、そこにあえて座る地元の人々なども印象的でした。聞くと夜は一番奥の入り口から先にクラブスペースがあり、夜からはものすごい人が集まるそうです。昼間はいたってリラックス出来る、本当に不思議な空間のバーでした。

【海外コラム】ベルリン。そこはファッション、音楽に満ちあふれていた column140805_hashidume_sub30

こちらはかなり古いアパートメントの1階を調理スペースとして、その中庭全てにテーブルと椅子を置いて、たくさんの緑をふんだんに感じられる屋外スペースのレストラン・Clarchens Ballhausです。Auguststra通りに面した場所にあり、ギャラリーなども多いエリアのために週末はギャラリー帰りの人々でいっぱいです。おすすめのピッツァを頂きましたが、絶品! 雰囲気だけではなく料理も最高で、地元で人気のレストランです。

という事で、5日間のベルリン滞在はあっという間でした。多くの人とショップにも出会え、今までとは違う発見も多い旅になりました。約1ヶ月間で世界各国(6都市)を回り、それぞれの街の良さや特徴や“今”を感じられた貴重な旅になりました! ファッションは勿論、ミュージック、アートなど全ての街が少なからずリンクしてかなり同じ方向に向かっている、という事が実感出来た事がとても大きな収穫だったと思います!

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著者プロフィール

橋爪 信之
伝説のマンチェスターのレコードレーベル〈FACTORY RECORD〉全盛期、ロンドン在住時にトニー・ウィルソンとの仕事を通じてUKロックに強い刺激を受ける。その後、イタリアのミラノ、フィレンツェにてファッションのバイイングオフィスを立ち上げ、イタリアのみならず欧米のファッションに深く関わり帰国。その後、パリ〜TOKYOでのファッションディレクションの仕事を3年間経験後帰国。そして国内の様々ブランドのディレクションワークをこなした後、2014年3月より”general design inc”入社。HAT&CAPコレクション“MANIERA”のoverseas業務、及びコンサルワークも継続。