後の最後で今年のベストフェスがヒックリカエッタ! 今年ヨーロッパ中の音楽フェスに参加し、Qeticでも多くの海外フェスレポートを書いてきた筆者が今年のベストフェスとして紹介したいのが、11月初旬にアイスランドで行われた<ICELAND AIRWAVES>だ。先日Qetic内の記事でも紹介していたように、日本と密接な関係にあるアイスランド、そしてアイスランドの音楽カルチャー。日本からもツアーが組まれるなど、日本人からも非常に人気の高い<ICELAND AIRWAVES>の全貌を明らかにしていきたい。これを読めば究極の音楽体験を求めて渡氷したくなること間違いなし!?

◼︎<アイスランド エアウェイブス>とは?

<ICELAND AIRWAVES>は11月初旬にアイスランドの首都レイキャヴィークで開催される都心型の音楽フェス。街の中心地のありとあらゆる場所がライブ会場となり、水曜日から日曜日までの5日間、街全体が音楽一色に染まる。もともとローカルと音楽の結びつきが非常に強いアイスランドという土地だからこそ生まれる「フェスと街の一体感」は、世界中どこを探してもここでしか味わうことができないだろう。

◼︎アイスランドの音楽を求めて世界中から渡氷!

世界中の有名アーティストをかき集めて開催されるフェスとは違い、出演する多くのアーティストはアイスランド出身。それに加えてフェスの雰囲気にマッチするインターナショナルなアーティストが華を添える。ザ・フレーミング・リップス (米)といった世界を代表するアーティストから、まだ音源もリリースしていないような地元アイスランドの新人までがラインナップにずらりと並ぶ。そういった新人を一気にチェックできるショーケース的な要素も強く、音楽熱の高い地元民はもちろん、世界中から音楽関係者や音楽ファンが集まってくるのだ。フェス中に多くの観客に話を聞くことができたが、「ビョーク、シガー・ロス、ムーム、オブ・モンスターズ・アンド・メン、アウスゲイルの次は誰か?」という話を、鼻息を荒くしながら喋り続けるアイスランド音楽ファンに多く出くわした。地元民はもちろん、世界中から集まったアイスランド音楽好きたちとの情報交換ができるといった点もこのフェスの魅力の一つだろう。

◼︎街全体が音楽で溢れ返る5日間

街を歩き回ると体感できるのだが、サーキット型フェスによくあるちょっとパブが解放されていたり、ストリートで演奏していたり…なんてレベルではない。メイン会場となるホールHARPAを中心に、美術館、レコード屋、レストラン、パブの地下なんて場所は当たり前。ホテルのラウンジが全面開放されてステージになっていたり、服屋の店内で紳士服に囲まれながらライブを観たり、終いには普通のお店のショウウィンドウの中でライブが始まるなど、本当の意味で「街中で音楽が鳴っている」のだ。

またライブ自体は夕方からのOFFICIAL(リストバンド提示が必要なライブ)に加え、先ほど例に挙げたようなOFF VENUEと呼ばれる会場でのライブ(入場無料)の2パターンがあり、楽しみ方としてはお昼からは街を散策しながら好みのアーティストを探して、夜からは目当てのアーティストを観るのがベスト。さらに嬉しいことに地元のアーティストはフェス期間中にOFF VENUEで複数回ライブを行うことが一般的なので、フェスでよくある好きなアーティストが重なっていて観られないというようなことが起こりにくい。好きなアーティストを見つけて、何度もライブに足を運んで違う箱でのライブを堪能するというような贅沢な楽しみ方もできるのだ。

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