レゲエとそこから派生したダンスホールは2018年の最先端の音楽ジャンルの1つだ。
そして、その人気を引っ張るアーティストの1人がCHRONIXX。
昨年にデビューアルバム『CHRONOLOGY』を発表して以降、今現在まで世界中をツアーし続けているジャマイカ出身のシンガー。昨年は<フジロック>にも出演した。
そのCHRONIXXが11月11日にロンドン・アレクサンドラパレスでライブを開催。
ロンドン、そしてヨーロッパ中のファンがチケットを買い求め、開催までかなり日を残した状態で10000枚がソールドアウトするという事態に。
今回はこの歴史的な1日を追った。
ノースロンドンを上っていき、丘の上にある宮殿のような会場 アレクサンドラパレス(通称 アリーパリー)。
ライブ会場として使われることもよくあるようで、ホールの規模感は幕張メッセと同じくらいといったイメージ。
到着するとサウンドチェックが行われており、CHRONIXXと彼の作品を手掛けている映像ディレクター IVORが巨大スクリーンの映像演出を入念にチェック中。
CHRONIXXは音楽はもちろん、映像 / 写真 / アートワーク / ステージなど全てのアウトプットに対してこだわりを持ち、自分の目と耳、感覚で確かめ、彼のクリエイティビティを形にするチームと共に作品として打ち出していく。
ステージ、大きく設けられたフードコート / 物販エリアなど全ての準備が整い、開場。早くから外に列を作っていたファンが最前列を取るためにすごい勢いで走って入ってくる。
その様子を端で見ていたCHRONIXXがボソっと言った。
「本当のファンにリスペクト。」
CHRONIXXと共に世界を飛び回るバックバンド ZINCFENCE REDEMPTIONがステージに姿を現すと会場からは「待ってました」と歓声が上がる。そのまま演奏が始まり、巨大スクリーンに日が昇っていく。
“日の出”を迎えたところでCHRONIXXもステージに登場、ここからショーがスタート。
世界中で数々のビッグステージを経験してきた自信溢れるパフォーマンスと、楽曲に合わせて次々と変化していくスクリーンの映像と照明などの演出がこのライブを1つのストーリーにし、10000人の観客がのめり込まれていく。
途中、CHRONIXXの前に出演したPROTOJE、実のお父さんでもあるアーティスト CHRONICLE、CHRONIXXと同じジャマイカ・スパニッシュタウン出身の18歳 KOFFEEも登場し、会場を盛り上げる。
特に、前日に会ったときからずっと緊張していたKOFFEEが遂にこの大舞台に呼び込まれてCHRONIXXと笑顔でハグするのを見てアツいものが込み上げた。
17歳で注目され、UKソニー傘下のコロンビアミュージックと契約。WALSHY FIRE(MAJOR LAZER)プロデュースの新曲「TOAST」を発表したジャマイカ発のニューセンセーション KOFFEEの活躍にも期待。
この歴史的な一夜は、伝統ある会場の雰囲気、作り込まれたハイクオリティな演出、そこにジャマイカオリジナルのバイブスが融合した一番好みな空間だった。
CHRONIXXはステージで叫ぶ。
「This is Reggae music!」
レゲエは「古き良き」だけではない、2018年の最先端の音楽だ。
アリーパリーに集まった10000人と、その先に立つCHRONIXXが自分にそう確信させてくれた。
つづく