宅録女子からの卒業

『チャンス・オブ・レイン』発表から2年後の今年9月26日、リッジウッドのライブハウス「トランス・ペコス」は熱気に包まれていた。ヘイローが徳望の新作『イン・サイチュ』を引っさげてニューヨークへ帰ってきたからだ。ベルリンでの活動を感じさせるミニマルな内容で、シンプルだがヘイロー節は健在。間違いなく傑作と言える内容となった新作のプレイをオーディエンスはフロアとバックヤードを行ったり来たりしながら待っていた。

午前2時を回った頃、真っ黒のワンピースを着たヘイローが現れた。ヘイローはステージに上がると、オーディエンスに目を向けることなく機材をいじり始めた。閑静な住宅街のライブハウスに集まったオーディエンス達も無言で音に反応をする。その熱狂の渦は静かだがフロア中に広がり、トイレ待ちの行列もいつの間にかダンスフロアに飲み込まれていった。オーディエンス達は、ヘイローの楽曲は勿論だが、机の上に置かれた大量の機材と、それを寡黙に操るヘイローの姿に魅了されていた様にも思えた。

宅録女子からの卒業!新作を発表したローレル・ヘイローに迫る! column151201_usa_4

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ニューヨークでプレイをした後、ヘイローはベルリンでのリリースパーティーをこなし、ヨーロッパツアーへと向かった。現在、最も注目される女性ミュージシャンの一人であるローレル・ヘイロー。数年前、宅録女子と騒がれた彼女は今、ベッドルームから飛び出し、世界中を飛び回っている。

宅録女子からの卒業!新作を発表したローレル・ヘイローに迫る! column151201_usa_6

『イン・サイチュ』

RELEASE INFORMATION

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