毒舌音楽ライターの失敗から学ぶこととは？ビーニー・フェルドスタイン主演『ビルド・ア・ガール』原作者が映画化への想いを語る

『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』、『レディ・バード』のビーニー・フェルドスタイン主演、青春エンパワーメントムービー『ビルド・ア・ガール』がいよいよ10月22日（金）より公開される。本作は、イギリスでコラムニスト、ジャーナリストとして活躍するキャトリン・モランの半自伝的小説の映画化作品だ。ビーニー演じる文才と想像力を武器に大人社会に飛び込んだ高校生・ジョアンナを主人公に、失敗や挑戦を繰り返しながら、がむしゃらに成長していく青春ストーリーが描かれる。本作の公開に際し、原作者キャトリンが映画化への想いを語っている。

『ビルド・ア・ガール』原作者が語る映画化への想いとは？

90年代を舞台にした作品でありながら、早くも多くの女性たちからの共感を得ている本作。キャトリンは「90年代の話だけど、当時も現代のティーンも同じなの。何かを批判することはやめて、自分の“好き”を信じて発信して欲しい。本作ではこのメッセージを感じられるはず」と、時代は違っても大切なことは同じだと伝えるべく、今だからこそ映画化に踏み切ったことを打ち明けた。

主人公ジョアンナは冴えない女子高校生から秘めた才能を爆発させ、16歳でまさかの音楽ライターデビュー。売れっ子になるために“いい子”を捨て、過激な毒舌記事を書きまくる辛口批評家として台頭し、「ボヘミアン寒ソディ」、「ロックはピエロヘア選手権じゃない！」などと大物アーティストを物ともせず大バッシングし、人気を獲得するために他人を傷つけ暴走してしまう。自分の体験談をもとに執筆したという原作者のキャトリンは自分の過去を思い出し、「10代という若さでロック評価になった私は、素晴らしいところを見つけようとせず、「このバンドは最悪だ、この音楽はゴミだ」などとこき下ろしていた」と、実際にジョアンナと同じ失敗をしていたことを語った。

同時に、本作は90年代の話でありながらも、今の10代には自分と同じことが起きている、とキャトリンは話している。「今ではSNSのおかげで世界中のティーンが昔の私と同じ力を持っている。そして彼らもまた、何かに向かって嫌いだと言い、荒らしたり破壊したりしているの」と語り、女の子たちに限らず今の10代がキャトリンやジョアンナと同じ過ちをしてしまっていることを憂いている。しかし、ジョアンナがさまざまなことを経験する中で、自らの行動を思い直してみんなに謝罪をし、新たな自分を作り上げていくように、現代のティーンも何度でもやり直せるはずという想いが本作には込められている。

さらにキャトリンは現代のティーンに向けて、「攻撃的な態度はいつか必ず自分に返ってくる。何かを批判するよりも、自分の“好き”を信じて発信するべきなの。周りに流されずに優れたものを見つけることが、人生に喜びを与えてくれるわ。本作でもこのメッセージを感じられるはずよ」とSNS時代の今だからこそ本作を映画化した意義を語った。

一足先に本作を鑑賞したファンからも、「自分が学生の頃にこういう作品に出会いたかった」、「誰にでも思い当たるちょっとしたことに共感できて、前向きにもなれるハッピーな映画」など、早くも共感の声が挙がっている。失敗や挫折をして、例え自分を見失ったとしても、何度だって自分の“好き”を見つけてやり直せばいい！　とジョアンナから力強いメッセージを受け取れる『ビルド・ア・ガール』のストーリーを劇場で堪能してほしい。

映画『ビルド・ア・ガール』予告編　2021年10月22日（金）公開