エルヴィス・プレスリーを知りたくなる音楽映画

ポール 何分くらいですか?

岩井 91分です。

ポール 最近長い映画が多いからちょうどいいくらいです。しかも歌ものだと時間の長さを感じない。

清野 歌のシーンは本当に多いですね。

ポール 正直、エルヴィス・プレスリーの曲は聞いたことありますが、コアなファンではなくて、有名な曲2、3曲知っているくらいです。どんな曲が出てきますか? さらっとエルヴィス・プレスリーという名前だけ知っている人が楽しめる映画ですか? そういう人たちでも分かる曲が出てくとか。

岩井 あんまり知っている曲は出てこないかもしれません。というのも、晩年のエルヴィス・プレスリーって絶頂期ではないんですよね。それこそ絶頂期は“ハートブレイク・ホテル”とかで。それから結構経っているので、曲は割りと渋めの玄人好みが多いと思います。

清野 僕は1曲知っている曲がありました。“Always on my mind”です。

Elvis Presley – Always On My Mind

岩井 エルヴィス・プレスリーという存在自体がやはり当時としては別格だったんだと思います。以降にビートルズが出てきたりしますが、ちょっと比較にならないような影響力があったんじゃないかと。

ポール トリビュートアーティストがいるくらいですからね。この映画はアメリカではなく、アルゼンチンでやっているのがいいですね。その影響力が巡り巡ってなのか。

清野 日本のエルヴィスで撮ってもいいわけですよね(笑)。

3人 (笑)。

岩井 実はエルヴィス・プレスリーのトリビュートアーティストは日本全国にもいて、銀座のライブハウスでは定期的にエルヴィスのイベントをやっていたりします。日本でエルヴィスコンテストも毎年やってますよ。

ポール なんかいっぱいエルヴィス・プレスリーが並んでいたら面白いな。一同に会するような。

“映画を面白く”『エルヴィス、我が心の歌』 film160526_elvis_7

岩井  それは実際に行われていて、今年のエルヴィスを決めるような大会があります!

清野 世界大会もありますか?

岩井  あります。優勝者は、聖地グレイスランドがあるメンフィスのコンテストで歌う権利を得たりとか。

清野 ちなみに主人公のジョン・マキナニーは世界大会の優勝者とか?

岩井  そうではないですね。あくまでアルゼンチンです。

ポール 率直に言って、映画の印象としてはどうですか?好きですか?

清野 この映画観て思ったのは、もっとエルヴィス・プレスリーのこと知りたいなと思いました。観た後にウィキペディアでエルヴィスの事調べたり、Youtubeでたくさん曲を聞いたり、写真を見たりして、どんどん好奇心が湧いてきて! あと、正直音楽に惹きつけられるところは大きいです。音楽が本当にすごいです。

ポール 歌っている所? 劇中の音楽がいいの?

清野 声が一緒なんですよ!ここで流れている本物のエルヴィス・プレスリーの声が、劇中で一緒なんです! えっ! って思いました。そして彼が切なそうに歌うから、感動する。

“映画を面白く”『エルヴィス、我が心の歌』 film160526_elvis_6

岩井  エルヴィス・プレスリーとしての要素はもちろんありますが、物語として、大概の人はこの人のやっていることは理解できないと思います。感情移入ができないというか。でも、「なんかそういえば、自分の中にもこういう所あったような気がする。正直、自分があきらめていたかもしれないような何か」を感じることができると思います。

ポール 熱い感じもある?

岩井 そうですね。周囲からみたらすごい間抜けに見えたりもするんですけど、本人の中ではそんなこと関係なく本気でやりきった感じがあって、その落差が絶妙なんですよ。あまりないタイプの映画だと思います。

“映画を面白く”『エルヴィス、我が心の歌』 film160526_elvis_5

ポールさん、スチール写真にも注目! 「衣装のものまね感があって最初はおかしいんですけど、話を聞いていてこの男の不器用さに惹かれますね。」

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