孤高のロック・バンドGEZAN初のドキュメンタリー映画『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』が6月21日(金)公開される。そしてこの度、2018年新潮ドキュメント賞の候補にもあがった今注目のライター磯部涼氏より本作の映画評が到着した。

磯部涼「これは非常に音楽的な映画である」

「今日、横にいるひととか、後ろにいるひととかのことを知らないかもしれないけど、同じ空間で音楽の 下にいるっていうのは、いろんな政治家がやろうとしても出来なかったことで、音楽が持ってる力だと思ってて…… これがオレらの政治なんで。どういう方法でもいいんで反応して下さい。あなたの声を聞かせて下さい。GEZAN」

文字として書き出すとあまりにもナイーヴに感じられるかもしれないが、映画の終盤、GEZANが主催するインディペンデント・フェスティヴァル<全感覚祭>のステージでマヒトゥ・ザ・ピーポーが口にする以上の言葉が、観客に実感を伴って刺さってくるのは、その時点までに、私たちが彼らとアメリカ・ツアーを共にし、アンダーグラウンド・パンク・シーンの可能性と限界を見ているからだ。

「オレは正義の反対はもう1個の正義だと思っているから、主義を持たないようにしていたけど、それがある意味、ボンボンの発想っていうかさ、余裕がある中での思想だったかってことを突き付けられた」という葛藤に巻き込まれているからだ。そして、それでも先の言葉に続いて、他でもない音楽が鳴らされるからだ。

「自分は何が出来るんだろうってシンプルに混乱してる」。あるいは、マヒトゥ・ザ・ピーポーは映画の中で言っている。音楽が包摂とまた違った可能性を持っているとしたら、「シンプルに混乱してる」ーーそういった状態を切実に表現出来るということだろう。その意味で、これは非常に音楽的な映画である。

この磯部涼の映画評も掲載されているマヒトゥ・ザ・ピーポーデザインの映画チラシが近日上映劇場にて配布される。さらにステッカー付き特別鑑賞券1,400円の発売も決定。どちらもお見逃しなく。

RELATED
GEZAN、初のドキュメンタリー映画『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』6月21日より公開決定

『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』ライター磯部涼の映画評が公開 film190423_gezan_1-1200x2564

『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』ライター磯部涼の映画評が公開 film190423_gezan_2-1200x1200

INFORMATION

Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN

『Tribe Called Discord:Documentary of GEZAN』ライター磯部涼の映画評が公開 film190423_gezan_main-1200x1696

6/21(金)よりシネマート新宿にて上映決定
製作:十三月
プロデューサー:カンパニー松尾
監督・撮影・編集:神谷亮佑
音楽:マヒトゥ・ザ・ピーポー

主演:GEZAN<マヒトゥ・ザ・ピーポー、イーグル・タカ、カルロス尾崎、石原ロスカル>、神谷亮佑
出演:青葉市子、テニスコーツ、原田郁子、THE NOVEMBERS、行松陽介、UC EAST、imai、踊ってばかりの国、HIMO、呂布カルマ、やっほー他

デザイン:マヒトゥ・ザ・ピーポー
cover photo:池野詩織
題字:STANG
© 2019 十三月/SPACE SHOWER FILMS

詳細はこちら