『ムーンライズ・キングダム』(2012年/ウェス・アンダーソン監督)
“「はみ出し者同士の二人」が旅に出る!”
1960年代のとある島を舞台に、ボーイスカウトに所属する一組の少年少女の逃避行と彼らを追う大人たちの姿を描いた、ウェス・アンダーソン監督による異色コメディー。周囲の環境になじめない12歳の少年サムと少女スージーは、ある日、駆け落ちすることを決意。島をひとりで守っているシャープ警部や、ボーイスカウトのウォード隊長、スージーの両親ら、周囲の大人たちは2人を追いかけ、小さな島に起こった波紋は瞬く間に島中に広がっていく。どこにも居場所を見つけられずにいる幼い2人の少年少女が、「自分の居場所」を見つけるための旅に出る。
『オン・ザ・ロード』(2012年/ウォルター・サレス監督)
“不朽の青春文学を映画化。青春の瑞々しさと儚さを描く”
アメリカ文学をけん引したビート・ジェネレーションの中心人物であるジャック・ケルアックの小説を基にした青春作。自分とは真逆の破天荒な性格の男とその妻に出会った作家が、彼らと一緒にアメリカを放浪する中で成長していく姿を映し出す。『コントロール』のサム・ライリー、『トロン:レガシー』のギャレット・ヘドランド、『トワイライト』シリーズのクリステン・スチュワートら実力派が出演。アメリカ、カナダ、メキシコ、アルゼンチンでロケを敢行して撮られた雄大な風景も、深遠な物語にさらなる奥行きを与えている。
ここまでは名作ロードムービーをご紹介してきましたが、この夏に大きなスクリーンで旅気分を味わうことのできる映画『キングス・オブ・サマー』、『50年後のボクたちは』をご紹介!
『キングス・オブ・サマー』(公開中/ジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督)
“大人への一歩を踏み出すティーンたちの夏休み!”
2017年に製作・公開されたアドベンチャー大作「キングコング 髑髏島の巨神」で一躍注目を集めたジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督が、13年に発表した長編監督デビュー作の青春映画。「ジュラシック・ワールド」「フィフス・ウェイブ」などに出演した若手俳優のニック・ロビンソンが初主演を務め、親への不満から家出を計画した少年たちのひと夏を瑞々しく描いた。高校生のジョーと親友のパトリックは、ともに親への不満から家出を計画。二人は一風変わった少年ビアジオと一緒に、森に隠れ家を作って自立した生活を目指す。しかし、そこにジョーが想いを寄せるクラスメイトのケリーがやって来て……。
『50年後のボクたちは』(9月16日公開/ファティ・アキン監督)
“あの夏の日を、大人になってもずっと忘れない――”
原作は、ドイツ国内で220万部以上を売り上げ、世界26ヵ国で翻訳された大ベストセラー「14歳、ぼくらの疾走」(ヴォルフガング・ヘルンドルフ著)。14歳のマイクはクラスのはみだし者。同級生からは変人(=サイコ)扱い、両親の仲もうまくいっていない。そんなある日、チックというちょっと風変わりな転校生がやって来た。夏休み、2人は無断で借用したオンボロ車ラーダ・ニーヴァに乗って南へと走り出す。旅の途中で訪れる、いつくもの出会いと別れ。やがて無鉄砲で考えなしの旅は、マイクとチックにとって一生忘れることのできないものになっていく――。
国や世代、文化が違えども、「ロードムービー」と「青春」は切っても切れない関係にあり、普遍的なテーマとしてずっと描かれてきました。
それは、主人公が旅を続けるなかで出会いと別れを繰り返し、その成長の過程を描く「ロードムービー」が、様々な葛藤を繰り返し、自分を形成していく「青春」の通過儀礼にも重なるからでしょう。また、それが世界中で永く愛されるテーマであり続ける理由でもありますね。
『50年後のボクたちは』
9月16日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国順次ロードショー!
監督・共同脚本:ファティ・アキン
脚本:ラース・フーブリヒ
原作:ヴォルフガング・ヘルンドルフ(「14歳、ぼくらの疾走」)
出演:トリスタン・ゲーベル、アナンド・バトビレグ・チョローンバータル
配給:ビターズ・エンド 2016年/ドイツ/93分/ビスタ
©2016 Lago Film GmbH. Studiocanal Film GmbH