——実際のレコーディングはいかがでした?
西口 以前の一気にガーッと録るという密度感に比べ、非常に良いペースで出来ました。もちろん今まで通りの緊張感はあったんですが、地元ということも手伝ってか、全体的にリラックスして録れたし、以前に比べ数段やりやすい環境でした。あと、音に関してもイメージの共有がしやすかったし、僕らのかっこいいと思えることをすぐに理解し、即具現化してもらえたところは大きかったですね。
増子 直人(西口)はスタジオからむちゃくちゃ近いところに住んでいたから毎回、家から通っていたんですが、(清水)エイスケは電車を使っていたんで、ほとんど泊まり込みだったし、僕も疲れた時はスタジオに泊まったりしてました。でも、それが逆に環境的に快適で。いかんせん、開始の10分前まで寝てられましたからね。それが新鮮だったし、リラックスして録れた要因の一つかなって。基本、レコーディングもマイペースでしたから。
——五味さん的には、今回の彼らのプロデュース中、どこに最も主眼を置きましたか?
五味 ライブバンド感ですね。それはいわゆるライブレコーディングとは違った類いで。彼らのバンド感をキチンと作品として表したかったんです。特に3人の一体感とエイスケの声の良さを、これまで以上に上手く引き出せたらなと挑みました。エイスケの喉にもっとパンチも欲しかったし、歌や歌声のバリエーションもまだまだ欲しかったですからね。
清水 五味さんからはレコーディング前にさんざん、「俺はボーカルのディレクションはうるさいし、鬼のように歌い直しをさせるから!!」と脅されていましたが、どの曲も多くて3テイクでOKを出してくれまして……(笑)。
五味 真剣に挑むように、あえて事前にプレッシャーを与えておきました(笑)。でも実際、3回歌ってダメなものは何回歌ってもダメですからね。
清水 それに限らず、今回は僕たちがやっている中でもシンプルに削ぎ落とす、削ぎ落とすってイメージで作っていきました。
五味 レコーディングだとどうしても後から足しがちになって、本来持っている良い部分まで損なっちゃう懸念もありましたからね。だけど基本、自分たちにキチンと一過言あったのか? 俺の考えに不服だったのか(笑)? 毎度、一発ではけっして自分の提案を受け入れてくれないんですよね(笑)。
——「いや、これじゃないです!」と?
五味 まっ、その頑なさも大事なんですけどね。ただ闇雲に従うんじゃなく、一度キチンと自分の中で考えて、それに対して自らのアンサーで挑む。それも重要なファクターですから。
清水 五味さんの提案にも、キチンと自分たちが納得できる説得材料が欲しかっただけなんです。で、それに納得したり賛同したら、喜んで受け入れていたし。逆を言うと、自分たちも五味さんを説得するためにしっかりと説得材料を用意しなくてはならないわけで。そういった意味でも、色々と勉強になるレコーディングでした。
——それにしても今回の作品は、力強さは力強さとして表れており、逆に繊細さもキチンと引き出されていて、それが一つの作品の中で同居しているところが特に耳を惹きました。
五味 元々の曲がある程度完成されていたし、どれも良い曲だったんで、そこを活かしつつ、細かいところを詰めていった感じです。まっ、元々が既にいい音楽だったんで、自分が絡むことによって、ますますいい作品になることは目に見えてたし。
清水 デモの段階で“My end”(ニューアルバムM-10.)という曲を五味さんが凄く評価してくれて。その時点で、この人にプロデュースを頼もうと思っていたんですけど、どの曲も自分たちの良さをキチンと引き出してもらえたんで、非常に感謝しています。
五味 ホント彼らは勉強家なところもあって。色々な音楽を聴いてますからね。なので、前作から今作の間にも色々と吸収してきたようで、様々な音楽を聴いて採り入れて、新しい扉を広くことが出来た印象があります。
——それが顕著に表れているのが、“Puke”だと思うんです。この曲は、これまでになかった16ビートも取り入れていますよね。
西口 これは、「リズム隊が主軸の曲も今回は入れよう」という五味さんからの提案ですね。このような作品の作り方を今までしたことがなかったんで非常に新鮮でした。
増子 最初、自分的に16の部分を作っていて。後半のハードロックな部分は全く違う曲として、それぞれ作っていたんです。で、それらを合体させてみたと。最初は、「大丈夫かな?」との不安もありましたが、意外とハマって良かったなって。
Age Factory「LOVE」アルバムダイジェスト
——今作は以前にも増してコーラス部分にも、より充実さが見受けられます。
清水 ハーモニーやコーラスに関しては、これまで以上にパワーアップしました。色々と試したり、足したりしながら、付けていったんですが、ある曲で、ちょっとバリエーション的に煮詰まった時があったんです。で、作業も停滞していたんですけど、そんな中、それまで寝ていた(笑)、五味さんがパッと起きて、「浮かんだ!!」と、急にボーカルのディレクションをしてくれた時もありました。
五味 あれ、思案してたり、客観的に聴くために、あえてうつ伏せになっていただけで、実際は寝てないから。マジ、ちゃんと聴いてたよ、ずっと。
増子 あれ、明らかにちょっと一眠りして元気が回復した、そんな感じの飛び上がり方と提案でしたよ(笑)。
——(笑)。最後に、今後Age Factoryから五味さんに求めることはありますか?
清水 Tシャツのデザインをして欲しいですね。実は今回の作品のジャケットのラフは全て五味さんの店で五味さんに作ってもらったんです。
五味 アルバムタイトルを入れる時に、「『LOVE』!? 直接的過ぎるし、21~22歳のヤツに愛なんて語って欲しくないな……。」なんて想いながら、ジャケットのラフを作っていたんですけど、アルバムを聴き込んでいくうちに、「けっこういいかも……。」と思い始めて。今ではすっかり、良いタイトルだと思えるようになりました。なんか名盤の予感がするんですよね、今回のアルバムは。
清水 あと個人的には、今回の僕たちのように、もっと五味さんに相談にいったり、アドバイスをもらったりしに行く奈良のバンドが増えて欲しいです。「孤高のアーティスト五味」だけじゃなくて、もっと他のアーティストを通しても五味さんの凄さをみなさんに共有して欲しいなって。
五味 そうは言うけど、パブリックイメージも大事にしてるから、俺(笑)。
——逆に五味さんからAge Factoryにメッセージ等は?
五味 「世代が違う」とか「先輩後輩」とかを抜きにして、お互い対等に話せるそんな存在になって欲しいですね。同じ奈良だし、同じ3ピースバンドだし、俺らにしか出来ないことがあって、Age Factoryにしても、それこそ今の自分たちにしか出来ないことがあると思うんで、それらをやりながら、全国で活動しつつも、キチンと最終的には地元に得たものを持ち帰れる。そんな存在でい続けて欲しいです。
EVENT INFORMATION
1st Full Album 『LOVE』Release gig OSMANTHUS
OSMANTHUS名古屋
2016.10.14(金)
OPEN 18:00/START 18:30
CLUB ROCK’N’ ROLL
ADV ¥2,500/DOOR ¥2,800
LINE Up:Age Factory/LONE/the twenties/フィッシュライフ
OSMANTHUS東京
2016.10.22(土)
OPEN 17:30/START 18:00
shibuya CLUB KINOTO
ADV ¥2500/DOOR ¥2800
LINE UP:Age Factory/told/Qomolangma Tomato/突然少年
OSMANTHUS大阪
2016.11.05(土)
OPEN 17:30/START 18:00
LIVE BAR FANDANGO
ADV ¥2,500/DOOR ¥2,800
LINE UP:Age Factory/TheSpringSummer/MASS OF THE FERMENTING DREGS/Large House Satisfaction
RELEASE INFORMATION
LOVE
2016.10.05(水)
Age Factory
SPACE SHOWER MUSIC
¥2,037(+tax)
[amazonjs asin=”B01J5X3G12″ locale=”JP” title=”LOVE”]
詳細はこちら
Age Factoryオフィシャルサイト
Age Factory Twitter
LOSTAGEオフィシャルサイト
五味岳久 Twitter