アーティストや著名人の方々にお気に入りの楽曲を選んでもらうことで、その楽曲にまつわる思い出や当時のエピソードを語ってもらうプレイリスト企画。今回は「架空の街のサウンドトラック」をテーマに洒脱なポップ・ワールドを展開する5人組、Awesome City Club(以下、ACC)から、フロントメンバーのatagiさんとPORINさんの登場です。

今年6月にリリースされた3作目『Awesome City Tracks 3』では、atagiさんとPORINさんのツインヴォーカリスト体制をより強調するなど楽曲におけるメンバーの役割や音像を突き詰めて、よりカラフルでバラエティ豊かな音楽性を手にしたACC。リード曲“Don’t ,Think,Feel”はもちろん、スムースな“Into The Sound”や“Moonlight”、80’sニューウェイヴ風シンセがキラキラ夜を彩る“Vampire”、スロウな“エンドロール”や“Around The World”を筆頭に、全編にはより魅力を増した不思議な街の風景が広がっています。

今回は「Awesome City Clubのルーツがわかる楽曲」を選んでもらうことで、 2人の音楽体験を振り返ってもらいました。

Interview:Awesome City Club

【インタビュー】Awesome City Clubのルーツがわかるプレイリスト music0907_ACCmysoud_1

PORIN“「これがやりたかったんだ」って気づいたのがその時ですね。”

――atagiさんとPORINさんは小さい頃、プレイリストを作るのは好きでしたか?

PORIN:中学生の頃とかにオススメのバンドをMDに入れて友達と交換することはありましたね。もらったものは覚えていて、エミネムとか2パックとか、そういうものが多かった気がする。私はたぶん、GO!GO!7188みたいな、当時のガールズ・バンドを入れてましたね。

atagi:僕もちょうど中学から高校になるときにMDになって、聴く音楽の幅が広がったんです。ブルースの名盤やファンクを聴いていて、音楽好きの友達に教えてもらったヘビメタやグラインドコアも聴いてました。人に教えてもらって音楽を好きになることも多いですよね。

PORIN:みんな本気で選んでくれるしね。以前、スタイリストの人にミックスCDをもらったんですけど、1曲ずつ「この人のファッションはこうで~」という解説を付けてくれたんですよ。

――へええ、楽しそうですね。ACCはメンバー間でも好きな音楽を共有しますか?

PORIN:最近だと、モリシーが(スミス・ウエスタンズとアンノウン・モータル・オーケストラの元メンバーが集まって結成した)ホイットニーを教えてくれたりとか。

atagi:楽曲制作時に、制作チームのディレクターに「ACCのこんな音楽を聴いてみたい」というリストをもらうこともあるんです。それで「キンブラいいなぁ」って思ったりして。でも、マッツン(マツザカタクミ)はメロウ過ぎるものは聴かないし、音楽って人柄が表われますよね。音楽を共有する中で、人のパーソナルな部分を知れるというか。

――さて、今回は「自分のルーツが分かる楽曲」というテーマで5曲ずつ選んでもらいました。曲を知ったきっかけや思い出など、曲との個人的な体験をそれぞれ教えてください。

PORIN:じゃあ、まずは私から! 今回選んだのは小~中学校時代の、音楽体験自体のルーツです。私は小さい頃ピアノを習っていて、1曲目のリチャード・クレイダーマンは、その時に弾いていた曲です。私は人にピアノを習うのは好きじゃなかったんですけど……この曲は今でも唯一弾けますね。初めて行ったコンサートもこの人で、終演後に花束を渡して手の甲にキスしてもらいました。それから、当時は母親も一緒にピアノを習っていて、母が好きだったのが次のチューリップの“青春の影”です。母に連れられて、バンドもののコンサートで初めて行ったのもチューリップでした。幼稚園の頃ですね。次のレベッカは叔母の影響。当時バンドでヴォーカリストをしていた叔母がカラオケで歌っていて、私自身、一番好きなヴォーカリストもNOKKOさんです。あんなに体全部を使って歌うような人っていないと思うんですよ。

リチャード・クレイダーマン– “渚のアデリーヌ”

チューリップ– “青春の影”

レベッカ– “フレンズ”


――そして次が、LUNA SEAですか?

PORIN:中性的な雰囲気がお父さんに似ているのか、私、河村隆一さんが好きなんです(笑)。それで小さい頃はこの曲を流しつつリカちゃん人形で遊んだり、リカちゃんと彼氏役の男の子の人形でベッドシーンを作って、“Unlikelihood”の《天使と悪魔がKISをした》という歌詞でキスさせたりしてました(笑)。最後のチャットモンチーの“サラバ青春”は、中学の頃に初めてバンドを組んで演奏した曲。軽音部でもなく陸上部だったのに、器械体操部の子とソフトバレー部の子と一緒に先輩の送別会で全校生徒の前で演奏したんです。

LUNA SEA– “storm”
チャットモンチー “サラバ青春”

――だいぶ緊張したんじゃないですか?

PORIN:むしろ、「これがやりたかったんだ」って気づいたのがその時ですね。目立ちたがり屋だったんで、「自分かっこいい!」みたいな感覚でした。

――そしてこの曲は、何と言っても『Awesome City Tracks 3』にも作詞で参加した(元チャットモンチーの)高橋久美子さんの歌詞が素晴らしいです。

PORIN:高橋さんの歌詞って、人間性が出ているんですよね。この間高橋さんのラジオに出させてもらった時に、さっきのエピソードや、私がたまにやっている(ソロでの)ライブの時にもチャットモンチーの曲をやっていることを伝えました。

――こうして見てみると、PORINさんのリストは誰かとの思い出があるような曲が多い気がしますね。自分ひとりで音楽を聴く、という感じではないというか。

PORIN:ああ、確かに。私はそういう聴き方はあまりしないかもしれないです。

atagiさんのプレイリスト公開!

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【インタビュー】Awesome City Clubのルーツがわかるプレイリスト music0907_ACCmysoud_01

RELEASE INFORMATION

Awesome City Tracks 3

2016.06.22
Awesome City Club
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2016.11.17(土)
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photo by Mayuko Yamaguchi