Wyolicaで活動中にソロ・キャリアを本格的にスタートさせ、『ぴあのとあずみ』『NEW STANDARD』という2枚のジャズ・アルバムをリリース。15年の12月にはファーストオリジナルアルバム『CARNIVAL』を発表したAzumiさん。

この新作ではデビュー15周年という節目の作品らしく、Kj(Dragon Ash)、ILMARI(RIP SLYME)、DJ JIN(RHYMESTER)、社長(SOIL&”PIMP”SESSIONS)、藤本一馬(orange pekoe)、韻シスト、大江千里といった豪華ゲストが集結して作品に祝祭感を追加。ソウル~ヒップホップ、ジャズを筆頭に様々なジャンルを横断しながらも、これまでのキャリアと新たな要素とが絶妙にブレンドされた、今しか作りえないサウンドが全編に広がっている。

2月26日には東京でのリリース・パーティーも終了。観客を前にして新作の楽曲を披露しているこのタイミングで、改めて新作『CARNIVAL』について、そして演技やヘッドドレスブランドなどますます多岐にわたる活動について、じっくりと聞かせてもらいました!

Interview:Azumi

KjやILMARIら豪華メンバーとのエピソードも!Azumi『CARNIVAL』制作秘話を語る interview160316_azumi-main

――Azumiさんは昨年12月に『CARNIVAL』をリリースして、16年に入ってからリリースライブなども終えたところですが、初のオリジナル・ソロ・アルバムをリリースしてのライブということで、これまでとは感覚が違ったりもしたんでしょうか?

ソロ・オリジナル楽曲でのリリースライブは初めてですけど、17年やっているので、その経験が大きかったと思います。リリースライブなので、バンド編成でなるべく原曲に近いものを再現することは意識しつつ、ショウとして完成させるために起承転結もつけたいし、アレンジも変えるし。魅せるもの、見ていただくものとしてどういう風に作っていくかというところで、アレンジを決めていったりしました。バンドでやるので、人の温度感のようなものやグルーブも加わりますし。 

――実際にやってみての手応えはどうでしたか。

今回は私の経験の中でも3本の指に入るライブができたんじゃないかと感じていて。いつも一回終わるたびに「ああ、終わっちゃった」というすごく切ない、さみしい気持ちでいっぱいになるんですけど、同時に満足できるライブができたら、「また私はここを越えていかなきゃいけないんだな」という幸せ感も感じられます。

――そうやって、越えていくハードルがどんどん上がっていくんですね。

そうですね。昔のライブでも、「これは一番だったな」というものはやっぱりあるので、そこを超えなくちゃいけないですよね。楽曲でもそうだと思うんです。みんなが一番愛してくれている曲を、越えていかなくちゃいけない。それはミュージシャンとして、生み出す者として自分で乗り越えなければいけないものなので、今回いいライブができて、また新しいハードルが出来てよかったなと思います。

――そもそも『CARNIVAL』は、Azumiさんが全体の舵取りをしつつも、色んな方が参加しているアルバムで、作品全体のバランスがとてもうまく整えられている印象でした。このあたりは意識したことだったんですか?

それは意識していました。どんな方にお願いをするかも考えたし、制作の段階から作品の全体像を考えていました。それで、「こういう曲がいい」「こういうアレンジがいい」「こんな楽器を使ってほしい」「BPMはこれぐらいで」という話もしつつやっていたので、完成前から自分の中で一枚の絵のようなものが出来ていて。曲順も、最終的に変わりはしたけれど、なんとなく自分の頭でイメージしながら作っていった感じです。それで最終的に、自分の作詞自作の楽曲でバランスを取る、みたいな感じでした。

――Kjさんが参加した“CARNIVAL”は、1曲目にしてアルバムのタイトル・トラックになっていますね。

本当は私の美学としては、タイトル・トラックを1曲目にするのは嫌なんです(笑)。本当は3曲目か4曲目にしたいんですけど、本当にイントロから素晴らしい曲になったので、これ以外考えられず1曲目になりました。

――はははは。

“Carnival”は、去年の春前ぐらいに曲が上がってきた時に、「ああ、これは絶対に私の代表曲になるな」という直感があったんです。そこからKjさんとメロディや歌詞を詰めていったんですけど、最初に聴いた瞬間に「あ、これカーニバルだ」と思ったんです。しかも、「アルバム・タイトルもカーニバルだな」と思って。その段階でタイトル候補が2~3個あったんですけど、この曲を聴いて降りてきた感じがしました。私が最初に言っていたのは「アコギを使ってほしい」ということでしたね。10年前に一緒に曲を作った時にKjさんが「Azumiちゃんはフォークとエレクトロニカの融合、フォークトロニカだよ」ということを言ってくれていたからその延長でもあるし、今の彼のモードとしても美しいと思ったので。それに加えて、今回が15周年のアルバムになることは最初から言っていたので、Kjさんがアニバーサリー感を出してくれました。

Azumi – Carnival

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