UKの歌姫バーディーが、4月20日に待望の3rdアルバム『ビューティフル・ライズ』をリリースしました。先日Qeticで掲載した特集記事では、彼女のプロフィールと「才色兼備」な魅力に迫りましたが、今回はワールド・ツアーを目前に控えた本人をキャッチ。「日本」が大きなインスピレーションになったという新作のことはもちろん、ため息が漏れるほど美しいジャケ写での着物姿のこと、そして今後の展望についても真摯に語ってくれました。

昨年はフローレンス・アンド・ザ・マシーンが、今年はアデルが<グラストンベリー>のヘッドライナーに抜擢されましたが、いつかバーディーもその大役を務める日が来るかもしれません(というか、すでにポテンシャルは充分)。日本のメディアでは初となる貴重なインタビューをどうかお見逃しなく!

Interview:Jasmine van den Bogaerde (Birdy)

――あなたの新しいアルバム『ビューティフル・ライズ』は、アーサー・ゴールデンの小説『Memoirs of a Geisha(邦題:さゆり)』にインスパイアされたそうですね。具体的に、あの小説のどんなところに感銘を受けたのでしょうか?

とても美しいストーリーであることと、主人公のさゆりの「強さ」に魅かれたの。彼女は何も知らない世界に突然放り込まれ、その厳しい環境で自分自身のために戦うことを学んでいくのよ。物語のイメージも、今回のアルバムのサウンドに大きな影響を与えている。

――日本のファンは、あなたの美しい着物姿に釘付けです。着物に袖を通したのは生まれて初めての経験でしたか? また、実際に着てみて何を感じましたか。あなたの着物にまつわるエピソードも聞かせていただけると嬉しいです。

『さゆり』を読んですっかり魅了されてから、初めて着物を着たの。実際に腕を通してみたら、とても力強いものを感じたし、大胆な色味もすごく気に入った。「赤」と「金」は、このアルバムのテーマなのよ。私がジャケット写真で着ているものは日本から送られてきた着物で、自分のショウでもヴィンテージの着物を着てパフォーマンスしたわ!

UKの歌姫バーディーが明かす『美しい嘘』の真実。インタビュー本邦初公開! music160414_birdy_1-780x780

『ビューティフル・ライズ』ジャケット写真

――本作は「愛」と「ハートブレイク」のアルバムだと感じました。『Beautiful Lies(=美しい嘘)』というタイトルに込められた想いを聞かせてもらえませんか?

「Beautiful Lies」とは、「変化」のことなの。成長し、人と別れ、自分自身の人格を確立していく。私は1年前に初めてひとりでロンドンに移ったんだけど、家族とすごく仲が良かったから、きちんと独り立ちできるようになるまでそれなりの時間がかかったわ。そこで、自分の中で「Beautiful Lies」がどういう意味なのか、を学んだの。変化はこの世で避けられないものだけれど、同時に「何も変わらないでほしい」と願ってしまう……ということよ。

――“Keeping Your Head Up”はスティーヴ・マックとの共作ですが、彼とタッグを組むことになったきっかけは? 彼は瞬時に人々の記憶に刻まれるような曲を作らせたら天才的な人物ですが、実際に仕事をしてみた印象はいかがでしたか。

この曲は、アルバムの中でも最後のほうに完成したの。彼は私の所属するレーベル(〈アトランティック・レコード〉)が紹介してくれたんだけど、最初のセッションの時点から、すごくスムーズに制作を進めることができた。自分の中でどうしてもカタチにできないアイディアがあったときに、発想を変えてドラムでプレイしてみたりもしたのよ。スティーヴとは、アルバムの中でもっともアップリフティングな2曲(※)を作ったわ。
※ “Keeping Your Head Up”と、“Hear You Calling”の2曲

Birdy – Keeping Your Head Up [Official]

――「楽曲制作からアートワークに至るまで、今までで一番自信をもって、そして誇りをもってつくることができた作品。」と語っていますが、トータルで表現したかったコンセプトなどはあったのでしょうか?

アルバムによっては、私のフラストレーションをカタチにしたものもあった。今回は初めて、自分自身のオリジナリティを前面に出した作品であり、同時に、新たな試みもいろいろと取り入れたわ。私は、自分のやりたいことがハッキリしていなかったり、自分の考えに自信を持たない状態でいるのが嫌なの。自然な成長も踏まえて振り返ってみると、このアルバムのテーマは「嵐のあとに訪れる静けさ」と、「自分自身の意見や考えを作り上げていくには時間が必要だと気付くこと」だと言えるわね。

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