ーー“Taste”では、《どうして私たちは、最も愛する人を傷つけてしまうのだろう》と歌っています。おそらく、多くの人がそういったことを経験し、傷つき悩んできたと思うのですが、実際何故そうなってしまうのでしょう?

それはきっと愛することが、相手に自分を共有させるっていう脆弱な状態になってしまうからじゃないかしら。その体験は、とてつもない美しさと同時に、とてつもない痛みを伴うと思うわ。

Braids – “Taste”

ーーこうした歌詞の世界は、実際に起きたことを基にすることが多いのでしょうか。何か小説や映画からインスピレーションを得ることもありますか?

たまに小説や映画からインスピレーションを得ることもあるし、実際に起きた出来事を基にすることもある。言葉に置き換えていくうち、パーソナルなテーマだったものが普遍的な意味を持つこともあるし、予想とは違う展開へと転がっていくこともある。そういうときは、ただ流れに身を任せているわ。今作では小説や映画からのインスピレーションは特になかったけど、私はよくメッタ・メディテーション(慈悲の瞑想)をしていて、それが作品に大きな影響を与えている。“Letting Go”で取り上げた「許し」は、まさにメッタの大きなテーマだし、“Happy When”は瞑想へのアプローチについて歌っているの。

ーー“Miniskirt”では、女性がセクシャリティを表明することの難しさについて歌っていますよね。こうしたテーマを取り上げるのは、とても勇気がいることだと思います。

ありがとう。私は自分の人生において、女性が感じるフラストレーションや不条理、女性を性的に侮辱する言葉の数々について、思っていることを表現すべきときがきたんじゃないかって思ったの。この曲は、トラック全体のラフスケッチを終えてから2ヶ月後まで、歌詞ができなかった。ようやく完成したとき、音をもっと削ぎ落としてヴォーカルを前に出すべきと思った。リズムを大きくして、歌詞と同じくらい攻撃力をもたせたわ。それは素晴らしい実験だったし、自分たちに大きな変化をもたらしたと思う。

Braids – “Miniskirt”

ーー最近ではビョークやFKAツイッグスが、賛否両論を巻き起こすような表現で自身のセクシャリティを表明しています。彼女たちについてはどう思いますか?

2人とも大好きなアーティストよ。彼女たちのように影響力のあるミュージシャンが、セクシャリティについて表現するのはとても重要なことだと思う。

ーーレーベルメイトのグライムスや、あなたたちのファンであるチャーチズのローレンも、女性の権利向上について公に表明していますが、彼女たちについては?

彼女たちも、私たち女性が日々受けている侮辱、女性を性的なモノとしか扱わない社会ーー特に音楽業界について、人々に気づかせようとしてる。それは私たちにとって、まさにギフト(贈り物)よ。わたし、ローレンが心ない人たちから受け取ったメッセージを見せてもらったことがあるんだけど、あまりにも酷くて仰天したわ。

ーーところで、あなたは以前Twitterで、宮崎駿のアニメ『千と千尋の神隠し』(01年)の主題歌“いつも何度でも”をリツイートしてましたよね。宮崎アニメは好きですか?

大好き! ジョン・ホプキンスが私に宮崎作品を見せてくれたの。彼も宮崎の大ファンだから。『千と千尋の神隠し』のサウンドトラックは信じられないほど素晴らしい! 特にメロディが美しいわ。

ーー作品としては、どんなところが好きですか?

人生をマジカルなものにしてくれるところ。お気に入りは『となりのトトロ』(88年)よ!

ーーでは最後に、来日に向けてメッセージをお願いします。

去年、ブルー・ハワイの公演のため東京で3日間過ごしたの。それは私の人生の中で最も特別な時間の一つだった。私は、ブレイズとして日本に行くのが待ちきれない。他の2人のメンバーも、きっと日本が大好きになると思う。毎日ラーメンが食べたいわ!

Braids – Full Performance(Live on KEXP)

EVENT INFORMATION

BRAIDS JAPAN TOUR 2015

2015.07.05(日)
大阪 CONPASS

2015.07.06(月)
TSUTAYA O-nest

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