2000年代を代表するUKロックバンド、ザ・リバティーンズのフロントマンの1人、カール・バラーによる新しいバンド、カール・バラー・アンド・ザ・ジャッカルズが1stアルバム『Let It Reign』を2月にリリースする。
元々はカールひとりでアルバム制作を始めたが、ひとりでの作業に疑問を感じ、Facebookを通してメンバー募集を行った。 オーディションで集まったこのバンドは2014年5月に結成されたばかり。
今作のレコーディングはLAで行われ、Beastie Boysのパーカッショニストであるアルフレッド・オーティズ や、My Chemical Romanceの元ドラマーも参加している。
先行デビューシングル“Glory Days”は9月26日から彼らのオフィシャルサイトにて無料ダウンロードを開始。すでにイギリス国内では大きな話題となっ ている。プロデューサーはThe BronxのJoby J. Ford。グラムロックやブリットポップ、90年代後半のLA ハードコアパンクの要素(Rocket From The CryptやQueens Of The Stone Ageなど)を多く取り入れた ロック色の強い作品になっている。
ライナーノーツは自らThe Libertinesのファンを公言しているa flood of circleの佐々 木亮介が担当。
そして本国のリリースが2015年2月16日に決定している、カール・バラーからこの度インタビューが到着した。アルバムとあわせてチェックしてみよう。
Interview:Carl Ashley Raphael Barât
――ちょうどアルバム発売まで1ヵ月ですが、キャリアが長いあなたでも緊張はしますか?
そうだね、アルバムのことが頭に浮かぶと、ほんの少しナーヴァスにはなるよ。今はほかにも色んなプロジェクトが同時進行していて、頭が一杯だから、そんなに気にしている余裕がないんだけど、必ず少しはナーヴァスになるものだし、人々がどんな風に僕の音楽を受け止めるのか、常に興味はあるよ。
――2010年にアルバム『Carl Barat』でソロ活動を始めたあなたは、結局またバンド形態で新作をリリースします。バンドというフォーマットのどういった部分に想い入れがあるのですか?
まず、前回のソロ・ツアーがそんなに楽しめなかったんだよ。ほら、世界中を旅して、素晴らしいものを観たり体験したりするのに、独りで旅するんじゃつまらない。そういう楽しい体験を分かち合う人がいなければ、意味がないよね。全てにおいて、そういう感じなんだよ。アルバム作りも然り。ソロで活動することを好む人もいるけど、僕には向いていないんだ。
――でもニュー・アルバム『Let It Reign』そのものはバンド結成2年以上前に着手し、一旦全曲レコーディングを済ませていたんですよね。
うん。確かにバンドを結成する前に、独りでアルバムのレコーディングはほぼ終えていたんだけど、究極的にはバンドと一緒に完成させた作品なんだ。バンドのメンバーが、アルバムの流れに準じて、それぞれに色んな貢献をしてくれたんだよ。
――じゃあ当初からバンドでプレイすることを想定して曲を書いていた、と。
ああ、その点は間違いないね。
アルバム『Let It Reign』
――新しいバンドのザ・ジャッカルズのメンバー、ジェイ、ビリー、アダムはオーディションを介してセレクトしました。人選の基準は?
う~ん……情熱と能力、かな。やっぱりこれらふたつが重要だったね。本当に大勢の、色んなタイプのミュージシャンと会ってみたんだけど、最終的に僕が選んだ3人は両方のクオリティを備えた才能豊かなプレイヤーで、かつ、ハートの部分や精神面も申し分なかったよ。
――いきなりあなたのようなビッグなミュージシャンとプレイすることになって、彼らはビビったりしなかったんですか?
そういうところも少しはあったと思う。僕には少々ウザかったけど(笑)。3人のうちふたりはそんな感じだったかもしれない。もうひとりは問題なかったな。全然動じてなかった(笑)。でも今じゃ全くへっちゃらだよ。出会ってから4人で様々な経験を分かち合ってきたし、一緒に夜遊びをして、一緒に外国を旅して、彼らを色んなプロジェクトに巻き込んできたからね。すごくいい感じに関係を築いているよ。
――ジェイ、ビリー、アダムを交えた初のリハーサルは覚えていますか?
うん。あの時はさすがにかなりナーヴァスになっていた。ものすごくナーヴァスだったよ。みんな無口だったしね。でも一緒にプレイしているうちに、こう息がピタリと合って、エネルギーとケミストリーが生まれた。そういう瞬間を待つのが重要なんだ。で、アルバムの収録曲をふたつくらいプレイした。そのあとすぐ、デビュー・ライヴが控えていて、大急ぎで準備しなきゃいけなかったからね。