2013年にザ・ビートルズ(The Beatles)を初めとする多くのバンドを輩出してきたイギリスのリヴァプールで結成された4人組ロックバンド・サーカ・ウェーヴス(Circa Waves)。
デビュー前からイギリスの国営放送BBCや音楽誌『NME』でも取り上げられ、瞬く間にその名が世界に広まった彼ら。2014年には、テンプルズ(Temples)、インターポール(Interpol)とともにUKツアーを行い着実にファンベースを拡大していった。そして、8月には<SUMMER SONIC>(サマソニ)に出演するため初来日、2015年1月には初の単独来日公演が実現した。
3月には夏を連想させ、疾走感のある“T-Shirt Weather”が収録された待望のデビュー・アルバム『ヤング・チェイサーズ(Young Chasers)』がリリースされ、再び<SUMMER SONIC>に出演を果たす。
そして前作から2年、スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)、アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)、フー・ファイターズ(Foo Fighters)、ザ・キラーズ(The Killers)などのアーティストの作品を手がけるアラン・モウルダーをプロデューサーに迎えて制作されたセカンド・アルバム『ディファレント・クリーチャーズ(Different Creatures)』が2017年3月10日にリリースされた。
今回は、8月には3度目となる<SUMMER SONIC>出演が発表されているサーカ・ウェーヴスのフロントマンを務めるキエラン・シュッダル(Kieran Shudall)のインタビューを掲載! アラン・モウルダーを迎えたことによる最新作での変化や制作中にスマッシング・パンプキンズ、アークティック・モンキーズなどを聴いていたというエピソードも語ってくれている。
text by Qetic・
Interview:キエラン・シュッダル(Circa Waves[Vo.])
——前作『ヤング・チェイサーズ』から大きく変化し、進化した新作だと思います。ファンに嬉しい驚きをもたらすアルバムになりそうですが、本作の変化、進化は意図したものですか? それとも?
前よりも断然ヘビーだろ? ファースト・アルバムは、自分の人生のうちのほんの短い時間で書いたレコードだった。2013年の間の3カ月くらいかな。だから、あのアルバムにはその間に書いた曲しか収録されていないんだ。でも僕はこれまでに、フー・ファイターズやスマッシング・パンプキンズのようなロック・ソングも沢山書いていた。でも、『ヤング・チェイサーズ』の時は、たまたまああいう曲のアイディアが出てきたんだよね。僕たちにはそもそも今回のアルバムのような面もあったんだけど、それをファーストでは出していなかったんだ。そのよりダークな面が今回のアルバムでやっと出てきたって感じかな。
——本作はヘビーでノイジーなアグレッシヴ・チューンが飛躍的に増えたのが特徴ですよね。なぜそういう方向に舵を切ったのだと言えますか?
ファースト・アルバムの反動みたいなものだよ。ファースト・アルバムは、もっと夏のレコードって感じだったから、今度はよりダークで夜っぽいものを作りたかったんだ。『ヤング・チェイサーズ』は、夏に車で聴くレコードで、ニュー・アルバムは、夜出かける前に家で聴くレコード。とにかく『ヤング・チェイサーズ』とは全然違うことがやりたかった。もちろんソングライティングの仕方も演奏の仕方も変わってはいないけど、以前よりもセッティングがダークなんだ。
Circa Waves – T-Shirt Weather
——その変化はあなたのアイディアだったのでしょうか?
僕がよりヘビーな曲をまず書き始めたんだけど、そしたらメンバー全員がそれを気に入ってくれたんだ。よかったよ(笑)。変化はしたけど、サーカ・ウェーヴスらしさは残っていると思う。前と同じような作品も作りたければ作れたけど、自分自身が好きなバンドも、ザ・ビートルズのように、全然違うバンドがプレイしているようなレコードを作るバンドなんだよね。進化や変化は大切なことだと思う。特に今、音楽業界内での移り変わりは激しい時だしね。
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