ーー音楽以外で何か夢中になっていたことは?

思い出せる限りでは特にないわね。ずっと音楽が好きだった。他にあるとすれば……サッカーかしら?  マンチェスターユナイテッドが贔屓で、ビリンダも同じチームのファンだから、たまに一緒に観戦してる。でもMBVの男性陣は、サッカーにまったく興味がないの(笑)。

ーーわかる気がします(笑)。ベースをやろうと思ったのは?

学校の課題がキッカケね。14歳、15歳くらいのときだった。バンドを組んで演奏することを求められたの。先生はもっとクラシックなオーケストラ編成を期待していたみたいだど、私のグループはもっとバンドらしいことをしようと思ってた。友達のジョーはドラムを選んで、他の子はギターを選んだわ。だから私がベースになったの。それがキッカケよ。「他よりも簡単だから」って先生が教えてくれたのだけれど、私は飲み込みが早かったと思う。そしてベースがとても素敵な楽器だということに気づいた。

ーー愛用のベースは?

フェンダーはもちろんだけれど……たくさんベースを持ってる。今、メインで使っているのは知り合いが私のためにカスタムで作ってくれたもの。今日のライヴで使ってたのは、友人がくれたものよ。なので、特に好きなベースの種類はなくて私が気に入ったものがお気に入りね。強いて言えば70年代のフェンダーJazz Bassかしら。アコースティックベースも大好きね。私にとってベースは友達みたいなものよ。

ーー尊敬するベーシストは?

若い頃、初めて憧れたのはスージー・クアトロ。女性でありながらベースを弾いていたかっこよさに憧れたわ。それからモーターヘッドのレミー・キルミスター。彼がリズムメイカーとして生み出す音が大好きよ。

Motörhead – “Ace Of Spades”

ーーへえ! モーターヘッドは意外ですね。

そうかもね。でも、ベースの演奏の仕方は似ていると思うわ。リズムを刻み、スケールを意識しているところとか。生み出す音は違うけれど、スタイルはとても似ているわよ。

ーーところで、初めて恋をした時を覚えていますか?

もちろんよ。忘れられないわ。
  
ーーそれはいつ?

17歳のとき。初恋は女の子だった。名前はアニー。彼女は15歳で、5年付き合ったわ。今でもいい友達よ。私、元恋人たち全員と今でも友達なのよね……。ロンドンでライブをしたとき、私のゲストリストはほとんどが元恋人たちで埋まっていたくらい(笑)。初恋のアニーは今ベルリンにいるのだけれど、ベルリンを訪れた際はいつも会うようにしているの

ーー最初から女性が好きだったのですか?

そうね。彼氏がいたこともあったけれど、主に私は女性に惹かれるわ。それが私という人間よ。

ーーそのことに対する戸惑いや葛藤などはありましたか?

「どうして好きになったことを、隠さなきゃいけないの?」とは思った。私の育ったソマーセットは同性愛に対して開かれた環境ではなかった。当時は若かったから自分の考え全てが正しいと思っていたし、ただただ何故? という疑問だけが残っていた。そして時が経つにつれて同性愛を認める周りの環境も良い方向に変わっていったわ。

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