Qeticでは約3年ぶりとなるDE DE MOUSEのインタビュー。この間にも国内エレクトロシーンの異端児としてさまざまなライブやビッグフェスティバルに出演し、さらには音楽家としての側面をより幅広く見せ続けている。

2011年からはじまったプラネタリウム公演は現在ツアーとして定着し、昨年の最終公演は“最も先進的なプラネタリウム”としてギネスブックに認定されている多摩六都科学館で<winter planet -planet to planet final­>と題し開催されるなど話題となり、成功をおさめ各方面から高い評価を得た。また、テーマパークのサンリオピューロランドで開催されているキキララのショー<キキ&ララの星空の旅>の劇中音楽を手掛けるなど、DE DE MOUSE独自の感性を遺憾なく発揮してきた。

そして今年の6月にプライベートレーベルとして設立した〈not records〉が3年周年を迎え、このタイミングでDE DE MOUSEが10代から20代前半に愛してやまなかったアンダーグラウンドダンスミュージックを昇華させた『youth 99』、オーディエンスたちからの多くの声に応えるべく、ライブで好評を得た楽曲を中心にセレクトし、再構築した楽曲とともにタイトルまでも自らリエディットした『milkyway drive』を含む5作品の怒涛のリリースラッシュ。このリリースの動きの中には〈not records〉初の新人アーティストとなるロンドンのラッパー、フェニックス&ザ・フラワー・ガール(Phoenix and the Flower Girl)の『NALA』も含まれている。

この3年の間での活動を振り返りつつ、DE DE MOUSE独自の活動として定着したプラネタリウム公演や<キキ&ララの星空の旅>を通じて伝えたかったこと、怒涛のリリースラッシュに新人アーティストのデビューなど。これらを通じて感じ得たことや、今後の展開。進化を遂げ続けるDE DE MOUSEに会い、話を聞かせてもらった。

Interview:DE DE MOUSE

進化し続けるDE DE MOUSE、レーベル3周年とこれからを語る interview150622_dedemouse_2

――〈not records〉設立3周年おめでとうございます! Qeticでは常にDE DE MOUSEさんの活動を追い続けてきましたが、インタビューは約3年ぶりです! その間にも数々のビッグフェスやイべントに出演してきましたが、サンリオピューロランドで開催された、プロジェクトマッピングにショーと音楽が融合したエンタテイメント<キキ&ララの星空の旅>の音楽を担当したことや、定着したプラネタリウム公演など、話題となっている活動についてお話を聞かせてください!

サンリオさんはメディアの方から紹介してもらいました。担当の方が僕の音楽をとても気に入ってくれていたみたいで、そのうち一緒に仕事をやりたいですねという話をしていました。それからショーの話をいただいて、オープニング・劇中歌・エンディングなど、全部で13曲くらい作りましたね。

――それでもこういった依頼に要望があってもこなせるのはライブやDJだけでなく、音楽家という側面での活動を続けているからですよね。

僕はダンスシーンやカルチャーとか、ひとつに固執して活動をしていなかったですし、以前はNHKさんの教育番組『見えるぞ! ニッポン』のオープニングテーマも作って、その曲は6年経った今も放送されています。もともと音楽の“すり込み”的な、音楽を通じた教育的なものに興味があったんですよね。自分が子供の頃に見ていた『ポンキッキ』とかもそうだし、クラフトワークとかYMO……たしかビートルズは“Please Please me”が流れたりしていて、その音質の悪さで子供ながらに「この曲は古い曲だな」とか理解したり、その古さが「怖いなって」って思ったことを小さいながらに覚えています。そうゆう”すり込み”的なものが、記憶や意識的には覚えてないけど、実は何かに使われていたというのが無意識の中にあるんですね。まぁ教育だけじゃなくてCM、TVの挿入歌でもなんでもかいませんが、そういった子供たちが無意識のうちに聴いてくれる音楽がつくれるのは嬉しいですし、<キキ&ララの星空の旅>などを通じた活動で、今の子供たちが大人になった時に「そういえばあの時こんな曲が流れてた! 今聴くと格好いいな。」って思ってくれるような、影響をあたえる活動ができるのは嬉しいですよね。

――ライブやフェスの演出とはまた違って、キキララの公演では舞台でキャラクターたちに振付があったりしますが、その中で音楽制作はサンリオさんのテーマとDE DE MOUSEさんの色で、兼ね合いを考えたりはしましたか?

当初から僕のアーティスト性が欲しいというテーマもあって、自分がいいと思うものを押し通してやらせてもらえたという部分がありました。制作時間は限られていたので、ラフは11曲を3日程度で作りました。とはいえ、テーマさえはっきりしていればラフはすぐできているんですよ。僕の中で<キキ&ララの星空の旅>の設定は宮沢賢治の『双子の星』を話をいただいた時にイメージしたので、その時に感じた宮沢賢治を連想させるような東北特有のインナースペース感を前面に押し出しました。ラフができてから、クライアントさんからの追加のオーダーや、こうゆう風に編集してほしいという要望がでてくるので、そこをどうやって自分の中で修正していくか。その部分はもちろんやりとりを重ねがらブラッシュアップをしていくので、全体では1ヶ月ほどかかりました。あとミュージカル感とテーマパーク感が出るように、90年代初期にあったようなちょっと古めかしいシンセサイザーの音やピアノを中心に使ってみました。

DE DE MOUSE – “little twin stars(for little twin stars show)”

――世界的に有名なキャラクターのショーというエンタテイメントをやってみてなにか感じるものはありましたか?

楽しかったですよ! またこうゆう機会があるならぜひやりたいですね。自分はデビュー当時から郊外の音楽をテーマにしていて、そのことをいろいろなところで話すから、いつの間にかエレクトリックミュージックアーティスト、DJとして、多摩ニュータウンで開催されている<多摩1キロフェス>とかに呼んでもらったり、多摩センターのパルテノン前広場のモニュメントの時報メロディには自分の楽曲が使用されていたり。サンリオさんの<キキ&ララの星空の旅>の音楽も僕の中ではその流れのひとつとも感じていますね。

――時報の音楽もある意味、教育的ですよね。

教育もだけど、DJとか若者が好きな音楽って地元の人からしたら不良っていうイメージがあると思うんです。そういうものが地域に食い込んでいくのってすごく面白い。まぁ単純に自分が純粋に多摩というか郊外の街並みが好き。例えば多摩センターの横にある“若葉台”。あの場所の感じも好きで、3年前の4thアルバム『sky was dark』をリリースした時にあそこの街に行って1枚1枚写真を撮って“floats & falls”の MVを制作してみたり。

DE DE MOUSE – “floats & falls”(from 4th album “sky was dark”)

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